９月30日（現地時間）、ベルギーのジュピラーリーグ（１部）９節が行なわれ、シント＝トロイデン（STVV）はアウェーで強豪アンデルレヒトと対戦。STVVはひとり退場者を出しながらも、スコアレスドローで試合を終えた。

　STVVは冨安健洋が３-４-３の右CBでスタメン出場し、遠藤航と鎌田大地はベンチスタート。関根貴大、小池裕太は負傷のためベンチ外だった。一方のアンデルレヒトは、森岡亮太がベンチ入りした。

　開始直後はSTVVがロマン・ベズスを中心に攻め込む展開だったが、22分にクリスティアン・セバジョスのファウルがVAR判定でレッドカードとなり、退場。STVVは残り約70分を10人で戦うことを強いられる。

　劣勢となったSTVVは４バックに切り替える。そこで右サイドバックを務めたのが冨安だ。おそらく公式戦では初となるポジションだったが、そつなくこなし、サイドでも粘り強い守備を見せた。終盤には右サイドを駆け上がってクロスを上げるシーンも見られた。

　73分に遠藤、89分には２試合連続でゴールを決めている鎌田が交代で入るも得点はなし。しかし、格上のアンデルレヒトを相手にドローという結果に、STVVのマルク・ブライス監督も満足しているようだ。

　地元紙『VOETBALNIEUWS』は「10人でプレーすることは想定外で、選手たちにとっては簡単なことではない。けれど、私はこの状況を乗り切ってくれた選手を最高に誇りに思う」と選手たちを称える監督のコメントを紹介している。

　一方のアンデルレヒトは、直近５試合で１勝と低調で、ホームで勝利する絶好のチャンスを逃したとあって非難が集中している。試合終了後にはスタジアムにブーイングが響き渡った。

　ベルギー全国紙の『NIEUWESBLAD』によれば、試合後にアンデルレヒト監督のハイン・ファンハエゼブルックが「サポーターの声がひどい。ほかのホームではサポーターは選手たちを後押ししているのを感じられるのに」と憤慨するほど、その声は大きかった。

「サポーターの応援は、毎シーズン６～８ポイントは追加する力がある。けれど、ここにいる彼らは何を言っている？ ヘント戦、STVV戦では攻撃の回数も多かったし、あとちょっとでゴールというシーンもあった。けれど、サポーターの後押しは感じられなかったよ。今の我々には力強い彼らの後押しが必要なんだ。今はそれがないから、私はベンチから選手たちの後押しをしている状態だ」

　この試合で森岡に出番は与えられなかった。地元メディアでは、ファンハエゼブルック監督の采配に疑問を呈する声も上がっている。

　逆風のアンデルレヒトは次節、アウェーでズルテ・ヴァレヘムと、勢いに乗るシント＝トロイデンはホームでエクセルシオールと対戦する。