専門誌は今週末のメンバー入りを予想
2年前、EURO2016を制したポルトガル代表において鮮烈な印象を与えたのが、当時18歳のレナト・サンチェスだった。
前年10月にベンフィカでトップチーム・デビューを飾ったばかりの少年は、大舞台で躍動感に溢れ、それでいて冷静なプレーを披露し、中盤で抜群の存在感を発揮。準々決勝では見事なゴールを決め、勝利の立役者にもなった。そのあまりに堂々としたプレーに、年齢詐称が疑われたほどだった。
大会後には3500万ユーロ(約45億5000万円)の移籍金でバイエルンに加入。ドイツでの大活躍が期待されたが、錚々たる顔ぶれが並ぶ名門チームではなかなか出場機会に恵まれず、先発出場わずか6試合の、計17試合に出場するに止まった(無得点)。
前年10月にベンフィカでトップチーム・デビューを飾ったばかりの少年は、大舞台で躍動感に溢れ、それでいて冷静なプレーを披露し、中盤で抜群の存在感を発揮。準々決勝では見事なゴールを決め、勝利の立役者にもなった。そのあまりに堂々としたプレーに、年齢詐称が疑われたほどだった。
大会後には3500万ユーロ(約45億5000万円)の移籍金でバイエルンに加入。ドイツでの大活躍が期待されたが、錚々たる顔ぶれが並ぶ名門チームではなかなか出場機会に恵まれず、先発出場わずか6試合の、計17試合に出場するに止まった(無得点)。
EUROで見せたような強靭なフィジカルと高いテクニックを活かしたプレーが鳴りを潜め、消極的なプレーに終始して見る者に失望を与えた彼は、翌シーズンはバイエルンで戦力外的な扱いとなり、早くも移籍の噂が多く流れた末にイングランドのスウォンジーに貸し出された。
しかし、ここでも12試合出場(先発9試合)・無得点、出来も散々なものに終わり、すっかりその輝きが失われたまま、“原石”はバイエルンにレンタルバックされた。
今シーズンもここまで、公式戦3試合でベンチにも入っておらず、厳しいシーズンが予想されるが、意外にも本人は今シーズンに大きな期待を抱いている。
「準備はできている。バイエルンという世界でベストなクラブのひとつでプレーすることはとても嬉しいことだし、大きな期待と誇りを抱いている」
バイエルンのオフィシャルTVでこう語ったサンチェスは、今シーズンより指揮権を託されたニコ・コバチの存在が、自身のキャリアに好影響を与えると考えているようだ。
「自分がやれるということを、再び見せるチャンスだと思う。コバチ監督は、選手のパフォーマンスを高めることに長けた人だからね。何だか、とても嬉しいよ。今の僕は、期待で満ち溢れているんだ」
バイエルンのカール=ハインツ・ルムメニゲCEOは、ここまでのサンチェスについて「2年前、彼は最も優れた若手として個人タイトルも獲得したが、その後、難しい2年間を送ってきた」と振り返るが、サンチェス自身はこれも、ポジティブなものとして捉えている。
「僕は今、笑顔でいられるし、これまでもそれを失ったことはない。僕は、自分が成熟していることを感じている。これまでとは違う明るい展望を、自分自身に抱いているよ」
テレビ局から、自身の弱点を訊かれて「弱点はないよ。僕は強いんだ」と答えるなど、自信を失っていないサンチェス。この代表ウィーク、久々にポルトガル代表に招集され、クロアチア戦、イタリア戦で終盤に出場し、相手ゴールに近い位置で、切れ味のあるプレーを披露した。
ブンデスリーガは今週末に再開し、バイエルンは15日にレバークーゼンをホームに迎えるが、専門誌『Kicker』はこの試合の予想サブメンバーに、サンチェスの名前を加えている。
「ニコ(コバチ監督)はレナトを、以前のような姿に戻してくれるだろう」とルムメニゲCEOは期待を寄せるが、ここからポルトガルの宝石がその輝きを取り戻すための第一歩を踏み出すことになるのだろうか。