バルセロナの大エースは、大黒柱の抜けた今シーズンのレアル・マドリーをどう見ているのか？　このたび、当人がその見解を地元ラジオで明らかにした。

　今夏の移籍市場で最も大きな話題を提供したのが、マドリーからユベントスへ移籍したポルトガル代表FWのクリスチアーノ・ロナウドだ。

　蜜月の関係にあった“エル・ブランコ（白い巨人の意）”を離れ、イタリアの絶対王者に加わった事実もさることながら、移籍金１億1700万ユーロ（約153億円）、推定年俸3000万ユーロ（約39億円）というエポックメーキングな契約内容もトレンドとなった。

　そんなC・ロナウドと約９年間に渡って、しのぎを削ってきたバルセロナのエース、リオネル・メッシは、その移籍と絶対軸を失ったマドリーに何を思うのか？　地元ラジオ番組『Catalunya Ràdio』で心の内を吐露した。

　C・ロナウドとは、９年のうち８シーズンもラ・リーガの得点王の座をめぐって競い合い、バロンドールも過去10年に渡って分け合ってきたメッシは、“ライバル”の移籍について、「正直言って驚いた」と明かしている。

「彼がマドリーを退団するなんてことを想像していなかったし、ましてやユベントスに加入することは想像もしていなかった。他のチームに行く可能性が大いにあったなかで、ユベントスの可能性は低いと思っていたからね。そのニュースを聞いたときは本当に驚いたけど、同時にユベントスはさらに良いチームになるとも思ったね」

　そのうえでメッシは、大黒柱を失い、さらに代わりとなる点取り屋を補強しなかったマドリーについても言及し、「弱くなる」という見解を展開した。

「マドリーは世界最高峰の選手が揃ったクラブで、実際、とても良いチームなのは明らかだ。ただ、彼がいなくなったことで、今までよりは弱くなると思う。逆に言えば、ユベントスはチャンピオンズ・リーグのタイトルを獲るチャンスが増えたということになるね」

　では、自身が長年過ごしたバルセロナを退団する可能性はあるのか？　今夏にマンチェスター・シティやインテルへの移籍が噂となったメッシは、去就について次のように返答している。

「13歳でこのクラブに加入し、僕の生活すべてがここにある。世界最高のチームにいて、最高の街の一つにいるんだ。他の場所に行く必要なんてない。バルセロナに住み続け、活躍を続けることが、最も僕に適した選択だと思う」

　メッシの言葉通り、C・ロナウドのユーベ移籍で、リーガ・エスパニョーラの縮図にも少なからず変動が見られそうだが、はたして、どうなっていくのか？　ちなみに最注目の一戦となる“エル・クラシコ”の今シーズン初戦は、10月28日にバルセロナの本拠地カンプ・ノウで開催される。