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台湾女子を20年ぶりのアジア大会4強に導いた日本人監督は発展途上のチームをどう強化したのか?

カテゴリ:特集

早草紀子

2018年09月04日

「フィジカル的な強さは日本人より持っているかもしれない」

チャイニーズ・タイペイを率いた日本人の堀野監督。20年ぶりのアジア大会4強に導いた。写真:早草紀子

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 なでしこジャパンの優勝で幕を閉じたアジア大会。決勝を前に行なわれた3位決定戦は韓国とチャイニーズ・タイペイ(台湾)の間で争われた。タイペイがベスト4に勝ち進んだのは実に20年ぶりの快挙だった。
 
 そのチームを指揮したのが堀野博幸監督だ。ユニバーシアード日本女子代表監督経験があり、ロンドン・オリンピックでは銀メダルを獲得した「なでしこジャパン」のゲーム分析を担当した人物である。2017年に知人の紹介で、タイペイ女子サッカーリーグでブルーホエールの愛称で知られる台中碧鯨の監督に就任し、見事リーグ優勝に導いたその手腕に白羽の矢が立つのは当然のことだ。2014年から2017年までタイペイ女子代表は柳楽雅幸氏が指揮を執っていたこともあり、日本スタイルのベースがすでに築かれていたことも堀野氏の監督就任を後押しした。
 
 完全にアジア大会に照準をあてた招聘だ。前年に自国開催だったユニバーシアード大会で期待されながらもグループリーグで敗退し、若い選手たちは自信を失いかけていた。堀野監督はそんな若手を引き上げ、テクニカルなプレーの多い日本、フィジカルに長けたオーストラリアへ遠征し、選手たちの経験値を上げていった。
 
「彼女たちが素晴らしいのは純粋にサッカーを楽しむんです」と、堀野監督は表情を緩める。「特に攻撃を本当に楽しんでいます。1対1の戦いも大好き(笑)。球際もまったく怖がらないし、本能的に戦えるものを持っているのは強み。原住民の選手も何人かいるので、瞬間的な速さといったフィジカル的な強さは日本人よりも持っているかもしれません」
 
 発展途上ではあるが可能性を秘めたタイペイ。指揮官はアジア大会での目標を実力的に狙えるベスト8ではなく、あえて一段階上げたベスト4に設定した。
 
 そのベスト4をかけたベトナムとの準々決勝ではPK戦にまでもつれ込む大接戦を制し、ついに目標を達成する。しかし続く準決勝は中国を相手に41本ものシュートを浴びた。ここで見せたのが、堀野監督が個の対応を徹底させた守備力だった。そこには確かに日本らしさが漂っていた。やみくもに引いているのではない。しっかりとシュートコースを切り、最後には身体を寄せて中国のゴールを1点に抑え込んだ。1対1を怖がらない選手たちの特長は守備面にも顕著に表われていた。守備に追われ、ほとんど攻撃が出来ないままに敗れた準決勝だったが、3位決定戦では攻撃にも打って出た。4失点を喫したが4本のシュートを放ってみせた。
 
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