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【セルジオ越後の天国と地獄】ブラジルは変わろうとしているのに、日本は今のままでいいの?

カテゴリ:特集

週刊サッカーダイジェスト編集部

2014年07月17日

協会は「4・5枠」という甘い条件にあぐらをかいているんだ。

勝っても負けても同じでは、甘えが出るのは当然。協会は危機感をもって強化に当たるべきだ。 (C) SOCCER DIGEST

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『週刊サッカーダイジェスト』の人気コーナー「セルジオ越後の天国と地獄」をサッカーダイジェストWebで公開中!
 
※週刊サッカーダイジェスト7.29号(7月16日発売号)より抜粋。
 
――◆――◆――
 
 連日のように、日本代表監督の後任人事がメディアを賑わせているね。アギーレとの交渉が最終段階で、すでに協会は、先方が要求するスタッフのリクエストを受け取ったという。そのなかには、アギーレの次男を入閣させる案件もあるようだ。
 
 前回のコラムでも言ったように、後任人事よりも、この4年間の総括が先だよね。今回のワールドカップで1分け2敗に終わったのは、ザッケローニ監督だけの責任ではないんだ。代表監督の経験がないザッケローニに4年間も指揮を任せた人がいたから、今回の結果につながったんだからね。
 
 コンフェデ杯での惨敗をはじめ、指揮官を代えるタイミングはいくつもあったのに、クビを切れなかった。それこそが、最大の問題なんだ。
 
 今のままでは、次のワールドカップに出られないかもしれないよね。アジア勢が1勝もできなかった影響で、ロシア大会のアジア枠が減らされる可能性がある。そうなったら日本は危ないよ。例えば、3枠になったら、どうなるか考えてみてよ。日本が韓国やオーストラリア、イランなどに確実に勝てる保証はないよね。
 
 日本がワールドカップに出場できるようになったのは、アジアの出場枠が増えてからだ。「ドーハの悲劇」で敗退した94年アメリカ大会も、初出場を果たした98年フランス大会も、日本はアジア予選で3位だった。ただ、94年はアジアの出場枠が2。98年は3・5に増枠したおかげで出場できた。以降の06年ドイツ大会、10年南アフリカ大会、そして今回のブラジル大会のアジア枠は4・5だ。これで出場できないほうがおかしいよ。
 
 協会は4・5という甘い条件にあぐらをかいているんだ。仮にアジア枠が2になったら、もっとシビアに監督人事を考えるでしょ? ワールドカップで勝てないのも、根っこは同じ。世界で勝ちたいと言っても結局は口だけで、行動はずっと変わっていないんだ。
 
 ワールドカップが終わると、すぐに次の話題作りに走って、自分たちの責任にはまったく触れない。同じことを繰り返している組織に日本サッカーの未来が託されているなんて、悲劇でしかないよ。
 
 危機感がないと成長は鈍る。日本だけでなく、たいした努力もせずにワールドカップに出場してしまった今回のアジア勢の惨敗が良い例だ。ワールドカップに出場して満足するのではなく、本大会で結果が出なければ責任を取る。それくらいの気持ちで強化に当たらなければ、日本は世界で勝てるようにならないよ。
 
 ベスト4に進出したブラジルは、1-7の敗戦で大きく変わろうとしているのに、グループリーグで1勝もできなかった日本は今のままでいいの? そんなわけはないよね。
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