[SBSカップ] Ｕ－18日本代表１-２Ｕ－18パラグアイ代表／８月19日／草薙総合運動場陸上競技場
 
　SBSカップの第３戦・Ｕ－18日本代表対U－18パラグアイ代表が行なわれ、日本は１-２でパラグアイに敗れた。
 
　40分ハーフで行なわれた試合は、後半13分にパラグアイが先手を取った。ロベルト・フェルナンデスがゴール前でチャンスを得て、冷静にGKとの１対１を制したのだ。
 
　だが２分後、日本がすぐさま同点に追いつく。ペナルティエリア内の狭いスペースで菅原由勢からパスを受けた宮代大聖が、巧みなトラップから技ありのシュートを沈めた。
 
　その後は日本に何度か決定機があったものの、勝負を決めたのはパラグアイだった。後半33分、スルーパスに抜け出したベガに、GKの頭上を射抜く鮮やかなループシュートを決められたのだ。
 
　試合後、日本の影山雅永監督はゲームをこう振り返った。
 
「相手の戦いを２試合見たうえで、どう戦うかをみんなで共有してプラン通りに進んでいたんですけど、プラン通りの結果にならないのがサッカーですね。日本人の選手に足りないところでもありますが、選手たちは勇敢に南米の腰の強さ、球際の強さに引くことなく勇敢に戦ってくれたと思います。ただ、勇敢に戦ってチャンスも作って負けましたというのは、世界に出る場合にはあってならない。こういう戦いをしながら、結果もモノにするという両取りができるようにしたいです」

　球際を強く戦い、決定機を多く作っても、勝てなかった。指揮官は２失点目の直前のシーンを引き合いに出し、勝負を分けた差を説明した。
 
「（２失点目の直前に）横パスをかっさらわれたんですけど、我々がカウンターを仕掛けて本来ならゴール前に行くべきシーンだった。でも、向こうのサイドバックがリスクを負ってとりに来た。紙一重ですよね。そしたらそこで判断を変える。一瞬の判断の勝負なんです」
 
　攻めても決め切れず、前がかりになったところを突かれて、ゲーム終盤に勝負を決められてしまった。失点の仕方は異なるが、それはＡ代表がロシア・ワールドカップのベルギー戦で喫した高速カウンターによる被弾と酷似するだろう。そのことについて、影山監督は「タラレバではありますが」と前置きしつつ、こんな見解を示した。
 
「僕はどちらかというと押し切りたいんです。ゲームをある程度コントロールできていたので、そしたらもっと工夫をして、もっとゴール前に入って決め切る、そして違いを見せたい。そこを選手たちに要求して決め切るところまでクオリティを上げる、相手を上回る。一方、僕の課題と言うか、これから先の大会になった時、前がかりになった場合に、出てきたパラグアイを逆手に取るとか。そんなところも含めてやったらどうだったかなと思います」
 
　攻めたいのはロシアＷ杯で指揮を執った西野朗監督も変わらないだろう。しかし、それが国際大会では命取りになる可能性もある。パラグアイに敗れ、影山監督はリアリスティックな戦い方も必要だったと振り返った。
 
　10月にはU-19アジア選手権がインドネシアで開催される。来年５月にポーランド行なわれるU-20ワールドカップ行きを懸けた予選を兼ねており、同大会で４位以内に入れば出場権を獲得できる大会だ。SBSカップの経験を糧に、その国際舞台で勝つための現実的なゲーム運びをできるか、期待したい。
 
取材・文●志水麗鑑（サッカーダイジェスト編集部）

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