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【小宮良之の日本サッカー兵法書】W杯ベルギー戦でも思い知らされた、「中盤」の別の重要な側面

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2018年08月17日

最終ラインの前の“堀や土塁や柵”

日本にとってはショッキングな結末となったベルギー戦。強豪相手に「堀・土塁・柵」がなければ、あれほどの見事なカウンターを決められてしまう。 (C) Getty Images

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  戦略的視点(大局的視点)で語る時、「中盤」の意味とはどこにあるのだろうか?
 
 中盤は攻撃を組み立て、創り出す。攻めるための「策源地」という考え方がひとつあるだろう。そこでのボール回しで優位に立てることができたら、確かに相手に後手を踏ませられる。
 
 逆説すれば、単純に「防御線」とも捉えられるだろう。相手の攻撃に対し、前線のプレスを越えてきた選手やボールを受け止める。最終ラインの前の“堀や土塁や柵”となることが求められる。
 
 中盤での攻防は、試合の趨勢を決する、とも言えるのだ。
 
 なぜなら、中盤の防御線を破られた場合、最終ラインはたとえ人が揃っていても、守り切るのが難しい。
 
 フリーでボールを持たれたまま、前線のFWに走り込まれる――。その感覚は、槍隊が甲冑(かっちゅう)を着て、守備姿勢を取りながらも、堀も土塁も柵もないところから、騎馬隊に突っ込まれるのに似ている。こうなれば、相手のスピードを正面からもろに受けてしまい、劣勢は明らか……。蹴散らされるのがオチだ。
 
 ロシア・ワールドカップの決勝トーナメント1回戦で日本はベルギーと対戦し、後半に2点を先取しながら、最終的に2-3の逆転負けを喫した。
 
 2失点目は、その前後から中盤の防御線が崩壊。相手選手に殺到され、最終ラインはずるずる下がるしかなかった。そして失点シーンは、完全にサイドを破られた後のクロスを、長身のマルアン・フェライニに飛び込まれ、叩き込まれた。自明の理と言える失点シーンだった。
 
 3失点目は、中盤の破綻がもっと顕著に出た。
 
 本田圭佑が蹴った左CKを、GKティボー・クルトワにキャッチされてしまい、そのスローがケビン・デ・ブルイネに繋がった。疾駆し始めたデ・ブルイネの前には、誰ひとり立ち塞がる選手がいない。全力で帰陣するも、どうしようもなかった。ディフェンスラインはどうにか形を作ったものの、殺到する勢いに拉がれた。
 
 トップレベルでは、中盤の防御線が崩れることは、ほぼ失点を意味するのだ。
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