波紋を広げるボカ会長の軽率な行動。
現地8月15日、バルセロナのオフシーズンの恒例となっている「ジョアン・ガンベール杯」に参戦したアルゼンチンの名門ボカ・ジュニオルス。
試合はリオネル・メッシら主力組を多数投じた相手に地力の差を見せつけられて0-3と敗れたが、約1万5000人のボケンセ(熱烈なボカ・サポーター)が駆けつけたと言われるカンプ・ノウは、大きな盛り上がりを見せた。
そんな親善試合の前日に、“とある”問題が起きていた。
選手たちが泊まる宿舎からほど近いグラシア通りに約1000人のボケンセたちが集結し、敵地への遠征前には恒例となっている“決起集会”を実施。「あまりの熱量に驚いた」というボカのダニエル・アンジェリッシ会長も急遽、そのサポーターの集会にサプライズで登場したのである。
問題はそこで起きた。サポーターからマイクを渡され、音頭を取るように頼まれたアンジェリッシ会長は、宿敵リーベル・プレートを皮肉るチャントを一緒になって熱唱した。その内容は以下のとおりだ。
「俺たちはボカ・ジュニオルスを愛している。心の底から愛している。俺たちはリベルタドーレスが欲しい。そして“鶏野郎”を殺したい」
試合はリオネル・メッシら主力組を多数投じた相手に地力の差を見せつけられて0-3と敗れたが、約1万5000人のボケンセ(熱烈なボカ・サポーター)が駆けつけたと言われるカンプ・ノウは、大きな盛り上がりを見せた。
そんな親善試合の前日に、“とある”問題が起きていた。
選手たちが泊まる宿舎からほど近いグラシア通りに約1000人のボケンセたちが集結し、敵地への遠征前には恒例となっている“決起集会”を実施。「あまりの熱量に驚いた」というボカのダニエル・アンジェリッシ会長も急遽、そのサポーターの集会にサプライズで登場したのである。
問題はそこで起きた。サポーターからマイクを渡され、音頭を取るように頼まれたアンジェリッシ会長は、宿敵リーベル・プレートを皮肉るチャントを一緒になって熱唱した。その内容は以下のとおりだ。
「俺たちはボカ・ジュニオルスを愛している。心の底から愛している。俺たちはリベルタドーレスが欲しい。そして“鶏野郎”を殺したい」
「鶏野郎」とはボケンセがリーベルを指す時に用いる言葉で、憎きライバルをけなす用語である。
そんな言葉を、ボカ会長という役職だけでなく、アルゼンチン・サッカー協会の現・副会長であるアンジェリッシ氏が熱唱したことは大きな問題となった。動画はSNSを通じてあっという間に拡散され、リーベル・サポーターだけでなく、国内のメディアからも非難が殺到している。
全国紙『Ole』は、「ボカの会長としては当然の行動だろうが、代表チームの副会長としての立場を考えれば、あまりに軽率だった」と綴り、同国メディア『Infobae』は「アンジェリッシのリーベルに対する行動によって、批判が爆発的に広がっている。彼がいくつかのクラブに対してえこひいきをする可能性があることを、我々は覚えておく必要がありそうだ」と、皮肉交じりに報じた。
しかし、一連の批判的な声にも、アンジェリッシ会長は意に介していない。バルセロナ戦の後に複数の地元メディアの前で、「あの輪の中で『ノー』と言うことはできなかった。1000人ぐらいのサポーターがいたんだぞ?」と、致し方のない行動であったことを説明している。
いずれにせよ、代表のサッカー協会で権威を持つ人間としては、あまりに軽率な行動だったと言えるだろう。