「今日のゴールは過去のこと」 11試合ぶり得点の “C大阪の主砲” 杉本健勇が見据えるもの

カテゴリ:Jリーグ

サッカーダイジェストWeb編集部

2018年08月16日

「そろそろ決めろよ、と言われていた(笑)」

不振が続き、ゴールから遠のく日々を過ごした杉本。しかしC大阪のストライカーは、苦境をようやく乗り越えた。 (C) SOCCER DIGEST

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[J1リーグ22節]C大阪3-1清水/8月15日/金鳥スタ

 苦しい時を乗り越えて、セレッソ大阪のエースに待ち望んだ瞬間がやってきた。

 ホームで迎えた清水エスパルス戦。序盤から主導権を握られる展開の中で、37分にチャンスが訪れる。右サイドでボールを奪った清武弘嗣から絶妙なクロスが送られると、中央で待っていた杉本健勇が反応した。

「最初は上のボールを狙っていたけど、キヨくんとアイコンタクトをして。素晴らしいボールだったし、(シュート)コースが見えた」と試合後に語ったストライカーは、身を投げ出すように滑り込みながら右足でダイレクトシュート。今シーズンの自身4得点目を決めると、コーナーフラッグへと走り、喜びを爆発させた。4月28日の第11節ジュビロ磐田戦以来、実に11試合ぶりとなるゴールだった。

「待っていてくれる人もいた。早く決めたいなと思っていた中で、チームが勝てばいいとは思っていたけど、勝てていなかったんで……。かなり取っていなくて、みんなからも『そろそろ今日は決めろよ』と言われていた(笑)」

 ゴールを決めて喜びを爆発させたのは、それだけ溜まっていたものがあったからだろう。ロシア・ワールドカップの本大会メンバーに選ばれず、大会期間中はC大阪の沖縄キャンプなどで入念に調整した。

 仕切り直しで迎えた7月18日のアウェーでの清水戦。ここで0-3の完敗を喫すると、チームの状態は下降し、杉本もゴールを奪えない試合が続いた。

 ここまで中断明けは0勝4分け3敗と7試合連続未勝利。ただ、チャンスがなかったわけではない。7月22日の浦和レッズ戦では追加点を奪う絶好のチャンスでシュートミス、8月5日の鳥栖戦では3度の決定機を、同11日の札幌戦でも2度の決定機を逃した。

「自分のところに多くチャンスが来ているけど……。思い切りの良さがないというか、シュートの場面で迷いがあるところも。ただ、取れないときもあるし、その壁を乗り越えたり、殻を破らないといけない。打開して乗り越えて、必ずまた、点を取れるようにしたい」

 この清水戦を迎える前に、苦悩を打ち明けつつも背番号9は、前を向いていた。そんな彼をスタメンから外さなかったユン・ジョンファン監督も、覚悟を決めていた。
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