清水元社員の着服行為で左伴社長が会見… 刑事告訴は見送る方向へ。その理由は?

カテゴリ:Jリーグ

前島芳雄

2018年08月03日

Jリーグには報告済み。本件が経営情報に関わる事案ではなく、一従業員の不祥事であるという認識

清水が元社員の不正行為に関して緊急記者会見を行なった。左伴社長は再発防止へ内部統制体制のさらなる強化を誓った。写真:前島芳雄

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 J1リーグの清水エスパルスを運営する(株)エスパルスは8月3日、緊急の記者会見を開き、同社元社員による現金の着服、帳簿の改ざん等の不正行為があったことを公表した。
 
 不正の内容は、平成23年から(株)エスパルスに出向した元社員(30代男性)が、平成24年から30年の6年間に渡って、現金回収した売掛金(ホームゲーム当日券の売り上げやスポンサーの協賛金等)の帳簿を改ざんするなどしておよそ500回ほど着服していたというもの。その総額は6700万円にもおよび、元社員は着服した現金を高級車やブランド品の購入、遊興費、貯蓄等にあてていたとのこと。
 
 会見に登壇した左伴繁雄社長は、「ファン、サポーターをはじめ、関係者の皆さまの信頼を大きく損なう事態となりましたことを深くお詫び申し上げます。当社といたしましては、今般の事態を重く受け止め、内部管理体制の問題点を洗い出したうえで、業務管理をはじめとする社内のガバナンスの強化を図り、信頼の回復に取り組んでまいります。このたびは大変申し訳ございませんでした」と冒頭で語り、数十秒間深々と頭を下げた。
 
 今回のような不正が発生し、6年間も発見できなかった原因としては、経理に関する多くの業務を当該社員ひとりに任せ、チェック機能が働いていなかったことが大きい。今回不正を発見できたのも、5月に人事異動で経理担当が交代し、後任者が不審な書類をチェックしたことがきっかけになったという。
 
 そのため同社は、以下のような再発防止策を提示した。
 
①業務上の全ての手続きにおいて、ダブルチェックを徹底
②取り扱う現金の量を削減
③定期的な人事ローテーション
 
 また、「内部統制機能の抜本的な見直しについては、外部の有識者も入れて実施し、内部統制体制の再構築を進める予定です」と左伴社長はつけ加えた。
 
 不正行為を行なった元社員は7月31日付で懲戒解雇され、左伴社長にも3か月間の減給(30%)処分が下された。ただ、元社員および保証人より全額返還の具体的手段が示されていること(7月末の時点で約半額を返済済み)、膨大な調査に対して協力を続けていることを考慮して、刑事告訴は見送られている。
 
 また、本件に関しては会見前にJリーグにも報告済みで、本件が経営情報に関わる事案ではなく、一従業員の不祥事であるという認識を得られているという。

取材・文●前島芳雄(フリーライター)
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