[J１リーグ17節]神戸０-３湘南／７月22日／ノエスタ
 
　アンドレス・イニエスタのデビューも印象深かったが、劣らないくらい、この日の湘南はインパクトを残したのではないだろうか。

　神戸戦の湘南は実に強かった。世界的名手の加入に沸く相手に、何か燃える想いがあったのかもしれない。序盤からダイナミックなパスワークで主導権を握り、10分に坂圭祐のヘディング弾で先制すると、ウェリントンと渡邉千真という神戸の２トップに粘り強く対応し自由を奪う。後半には前掛かりになった相手の姿勢を逆手にとり、速攻で２点を追加し、結果３-０の快勝を収めた。
 
　誤解を恐れずに言えば、イニエスタの加入で有頂天になっている相手に、“落ち着け”とお灸を据えるような、痛快な快勝劇だった。
 
　この日イニエスタ目当てで来場した観客の中には、少なからず、この日の湘南の強さに驚いた人もいるかもしれない。
 
　シャドーのポジションで先発した梅崎司は言う。
 
「イニエスタの加入は他チームにとっても、めちゃめちゃでかいんじゃないですか。正直イニエスタがいなかったら、これだけ客が入っていたか分からない。でも、大勢の人に僕らのサッカーを見せることができた。それは実際にやりたかったことですし、ひとりの選手でお客さんがこれだけ増えて、そのなかでこういうサッカーもあるんだよというのを見せることが、僕らの使命だと思う。それを体現できたこと、今日は本当に良かったと思います」
 
　世界的スターの加入で盛り上がりを見せる神戸だが、対戦相手にとっても、その影響は大きいようだ。

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取材・文●多田哲平（サッカーダイジェストWEB編集部）