• トップ
  • ニュース一覧
  • ブッフォン、“ウェア親子”との感慨深き巡り合わせ――23年前は偉大なる敵、今回は若き仲間として…

ブッフォン、“ウェア親子”との感慨深き巡り合わせ――23年前は偉大なる敵、今回は若き仲間として…

カテゴリ:メガクラブ

サッカーダイジェストWeb編集部

2018年07月22日

ICCでパリSGの先制ゴールを挙げたのは…

左からセリエAデビュー時のブッフォン、ジョージ・ウェア、バイエルン戦のブッフォン、同じくバイエルン戦でゴール後のティモシー・ウェア。 (C) Getty Images

画像を見る

 7月21日(現地時間)、サッカー界の夏の恒例イベントとなっている「インターナショナル・チャンピオンズ・カップ(ICC)」が行なわれ、オーストリアのクラーゲンフルトではパリ・サンジェルマンとバイエルンが対戦した。

 この試合で先発出場を果たしたのが、昨シーズン限りで17年間を過ごしたユベントスを退団し、40歳にして初の国外挑戦に乗り出したGKのジャンルイジ・ブッフォン。トップチーム経験のほとんどない若手も多く含まれたパリSGの一員として、元気な姿を見せた。

 先日の練習試合ではフランス3部リーグ所属のシャンブリに4ゴールを許したものの、このバイエルン戦では安定したところを見せ、失点は60分にセットプレーから許したハビ・マルティネスのヘッド弾による1点に止めた。

 ブッフォンは66分に交代でピッチを退いたが、直後にパリSGはレナト・サンチェスのクレバーなFKで逆転され、78分にも抜け出したセルジュ・ニャブリの折り返しをジョシュア・ジークゼーに合わせられ、1-3でICCの初戦を落としている。

 さてこの試合、31分にパリSGの先制ゴールを挙げたのは、18歳のティモシー・ウェアだった。昨夏に加入した才能溢れるFWは、今年3月にアメリカ代表として初キャップを刻んだが、そのルーツはアフリカのリベリアにある。

 リベリア、ウェアとくれば、当然、古くからのサッカーファンなら、1990年代にモナコ、パリSG、ミランで大活躍し、95年にはアフリカ人として初のバロンドール受賞者となった、現リベリア大統領のジョージ・ウェアを思い出すだろうが、ティモシーはこの「リベリアの怪人」の息子である。

 偉大な父親譲りの身体能力を有し、スピードとフィジカルの強さを見せて、バイエルンDF陣を制して独走からのゴールを決めたウェア。試合後には、「とても良いプレーができた。バイエルン戦は良い経験になったよ。もっとハードワークを続けていかないとね」と語っている。

 前述のブッフォンとウェア、年齢差は22と親子ほども離れているが、それ以外にも感慨深き関係がある。遡ること23年前、ブッフォンがセリエAデビューを飾った時、対戦相手としてウェア父と対峙しているのだ。

 95年11月19日、95-96シーズンのセリエA第10節でミランと対戦したパルマ。ともに同勝点の首位同士で迎えたエンニオ・タルディーニでの直接対決、パルマのゴールマウスの前には、レギュラーのルカ・ブッチ、2番手のアレッサンドロ・ニスタではなく、17歳のブッフォンが立った。

 この試合のパルマには、ファビオ・カンナバーロ、フェルナンド・コウト、ロベルト・センシーニらワールドクラスの選手が最終ラインに名を連ねていたが、対するミランはズボニミール・ボバン、ステーファノ・エラーニオ、ロベルト・バッジョ、そしてウェアという強力攻撃陣を擁していた。

 案の定、パルマはミランの攻勢を許したが、ルーキー守護神は全く動じることなく、これに対応。なかでもバッジョのヘッド、交代出場のマルコ・シモーネに完全フリーでシュートは完全に決定機だったが、ブッフォンは驚異の敏捷性でこれらをストップする。

 そして前述の通り、この年にバロンドールを受賞することになるウェアに対しても、17歳とは思えない冷静さと、逆に若さゆえの躊躇のない思い切ったプレーによってゴールを許すことなく、無失点でこの首位決戦を乗り切り、チームの勝点1獲得に大きな貢献を果たした。

 これによりブッフォンは、40~60年代にかけてミラン、インテル、イタリア代表で活躍したロレンツォ・ブッフォン(祖父の従弟)の親戚という見られ方ではなく、新時代のイタリアを代表するGKとして、全国レベルに知られる存在となった。

 そこからの彼の歩みは、改めて紹介するまでもないだろう。2001年に加入したユベントスでは19ものタイトル獲得に貢献し、97年にデビューしたイタリア代表では2006年ドイツ・ワールドカップを制し、名実ともに世界一のGKへと昇り詰めたのである。

 そんな守護神が不惑の年に求めた新天地で、いまや一国の元首となったウェアの息子と出会った。23年前には敵味方の関係で、自身を引き立たせてもらうかたちとなったブッフォンはそこから十分過ぎる経験を積み、今、若きチームメイトに多くもののもたらせる存在となった。何とも感慨深き巡り合わせである……。
【関連記事】
「分かる? マジで痛いんだって!」ネイマールがついに“過剰演技”への批判に弁明&反論!
酒井宏樹が"後輩たち"の海外移籍に賛辞「オファーが来るのはやれる証拠」
中島翔哉のポルト移籍報道をポルティモネンセ会長が否定!「満額を払うなら話は別だが…」
「デル・ピエロ以来のビッグネームだ!」 本田圭佑のメルボルン移籍が急浮上! 豪紙も交渉大詰めと報じる
ベジクタシュが香川真司の獲得に本腰! 移籍実現なら親友・長友と熱狂ダービーで激突も
活況を呈する欧州移籍市場、気になる各国リーグの締切日を確認! プレミアとセリエAの前倒しによる影響は?

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ