「神の子」F・トーレスの実像――仲間を重んじ、世界を制したクラッキの素顔

カテゴリ:Jリーグ

山本美智子

2018年07月21日

「神の子」という誉れ高きニックネームの由来は…

(C)Getty Images

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 フェルナンド・トーレスとは? という質問に一言で答えるのは、簡単なようで難しい。
 
 今年34歳を迎えたF・トーレスだが、個人的に、そのイメージは最初からほとんど変わっていない。金髪で頬が赤く、そばかすが顔中に広がっているせいで、その笑顔はシャイな印象を与える。話すと、朗らかで茶目っ気があり、サービス精神も旺盛だ。
 
 だが、一度、ピッチに立つと、闘志をむき出しにし、がむしゃらなまでにゴールを目指す。何度シュートを失敗しようが、最後まで諦めない。F・トーレスがその粘りで勝利を呼び込む姿を、私たちは何度となく見てきた。
 
 そのF・トーレスが、今季いっぱいでアトレティコ・マドリーを退団すると発表した時、一部のファンは少なからぬショックを受けた。イングランド、イタリアと海外リーグを経験し、再び戻って来たアトレティコで引退するのでは、との期待があったからだ。だが、その行き先が、Jリーグのサガン鳥栖と報じられ、ファンの失望は驚きに変わった。
 
 マドリード生まれのF・トーレスは、11歳の時に地元のラージョ13で年間55得点を決めた活躍が目に留まり、夢に見たアトレティコ入りを果たすことになった。アトレティコは育成に定評があり、ユースに在籍する約240人の選手のうち、トップチームまで上がれる生存率は、1%から3%だ。16歳でトップチームへ引き抜かれたトーレスは、まさにアトレティコが生んだ奇跡だった。
 
 トップ昇格から3年後、19歳でF・トーレスはキャプテンマークを任される。アトレティコへの愛情を惜しみなく表現し、若さとガッツに溢れるプレーを展開するF・トーレスは、瞬く間に人気者になった。「エル・ニーニョ」の名前が全国区に知れ渡ったのも、その頃だった。
 
 後にF・トーレス自身が語った言葉によれば、そのあだ名は「神の子」などという誉れ高いものではなく、16歳でトップチームに上がった時、誰も彼の名前を知らず、単に「あの子」扱いされたことに由来しているのだという(スペイン語で、エルは男性名詞につく冠詞、ニーニョは男の子の意味)。
 
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