指揮官は「時間が欲しい」と言葉を絞り出す…
【6月27日・カザン|グループF 韓国 2-0 ドイツ】
世界連覇の偉業を成すべく、堂々とロシアに乗り込んだドイツだったが、早々に王座から引きずり降ろされることとなった。
その終焉は、あまりにもあっけないものだった。
序盤から韓国をポゼッションで圧倒したドイツだったが、これまでのグループ2戦と同様に攻撃陣は勢いや鋭さを欠き、堅固な相手守備陣を打ち崩せずに時間を浪費。そして後半アディショナルタイム、VAR判定の末にキム・ヨングォンに先制弾を決められると、GKマヌエル・ノイアーを含めた11人が敵陣に入って反撃を仕掛けたが、逆にその隙を突かれ、ソン・フンミンにトドメを刺された。
試合後、茫然とするドイツの面々には、もはや世界王者の面影などはなく、見られたのは弱々しさだけ。指揮官のヨアヒム・レーブも、「今、何を言って良いのか……。失望、大きな失望だろうか。整理するには少し時間が欲しい」と絞り出すのが精一杯だった。
ドイツにとっては、史上初のW杯グループステージ敗退――。この歴史的な敗北を喫した代表戦士たちに厳しい声を浴びせたのは、同国の伝統を紡いできた先人たちだ。
世界連覇の偉業を成すべく、堂々とロシアに乗り込んだドイツだったが、早々に王座から引きずり降ろされることとなった。
その終焉は、あまりにもあっけないものだった。
序盤から韓国をポゼッションで圧倒したドイツだったが、これまでのグループ2戦と同様に攻撃陣は勢いや鋭さを欠き、堅固な相手守備陣を打ち崩せずに時間を浪費。そして後半アディショナルタイム、VAR判定の末にキム・ヨングォンに先制弾を決められると、GKマヌエル・ノイアーを含めた11人が敵陣に入って反撃を仕掛けたが、逆にその隙を突かれ、ソン・フンミンにトドメを刺された。
試合後、茫然とするドイツの面々には、もはや世界王者の面影などはなく、見られたのは弱々しさだけ。指揮官のヨアヒム・レーブも、「今、何を言って良いのか……。失望、大きな失望だろうか。整理するには少し時間が欲しい」と絞り出すのが精一杯だった。
ドイツにとっては、史上初のW杯グループステージ敗退――。この歴史的な敗北を喫した代表戦士たちに厳しい声を浴びせたのは、同国の伝統を紡いできた先人たちだ。
2002年の日韓W杯で準優勝の立役者となり、日本でも人気者となったオリバー・カーンは、地元ドイツの公共放送『ZDF』の中継で、「音を立てて崩れていくようだった」と、後輩たちのパフォーマンスを嘆いた。
「試合を観ていて思ったのは、代表のユニホームや伝統が彼らには重すぎたということだ。おそらく2、3トンの重みを感じていたに違いない。
この敗北には、多くの理由がある。私には、グループとして上手くいっているように見えなかった。トニ・クロースやマッツ・フンメルスといったリーダー格が柱になりきれていなかったし、ティモ・ヴェルナーは期待されたほどではなかった」
また、中東のスポーツ・メディア『beIN Sports』の中継で、現代表の失態を非難したのは、ドイツ代表として史上最多5度のW杯に出場し、1990年イタリア大会ではキャプテンとして優勝も経験したローター・マテウスだ。同氏は、感情的になって怒りを露わにした。
「本当に腹立たしい。あのパフォーマンスは一体なんだ! 90分間に渡って動きが遅すぎる。勝たなければいけない状況で見せるべき振る舞いじゃない。
私は、監督が間違ったシステムと戦術を使ったと思う。ストライカーが必要だったんだ。クリエイティブなMFは中盤にいたわけだから。70%近くもボールを支配していたが、決定機は6回ぐらいで、不十分だった。そして何より、選手たちがこの大会に集中しきれていなかった」
W杯の夢舞台での惨敗で、怒りと悲しみに包まれているドイツ。この空気から解放されるには、指揮官同様、長い時間が必要となりそうだ。