今シーズン限りでのユベントス退団を表明したジャンルイジ・ブッフォンは５月19日、セリエA最終節でユベントスでのラストゲームに臨んだ。

　63分、チームメイトや対戦相手と抱き合い、観客からのスタンディングオベーションの中で途中交代してから、花道をつくった仲間たちの一人ひとりと抱擁をかわし、スタンドの声援に応えたブッフォンの目には光るものがあった。

　試合後の優勝セレモニーで、セリエA史上最多となる自身９個目のトロフィーを掲げたブッフォン。イタリア紙『Gazzetta dello Sport』によると、マッシミリアーノ・アッレグリ監督は試合後に「今日はブッフォンがやってきたすべてに敬意を表すのが正しかった」と述べている。

「この１年を締めくくるのに、これ以上はなかっただろう。彼のことを思い、私も感極まった。（監督に就任してから）この４年、彼の素晴らしさを目にしてきたんだ。こういう別れにするのがふさわしかった」
 

　また、ユーベとイタリア代表で長年苦楽をともにしたアレッサンドロ・デル・ピエロ氏は、インスタグラムで「今日は君のための時間だ」とメッセージを寄せた。

「君はまたトロフィーを掲げた。伝説的で永遠なキャリアにおける新たなトロフィーだ。私は、人生の半分でそのキャリアを一緒に過ごす特権に恵まれた」

「君は、君たちは、素晴らしかった。このような別れは最高の中の最高だ。私は最初の（スクデット）とともに去り、今日君は７つ目で別れを告げた。７年連続のスクデット。とんでもないことだ！」

「でも、今日で“終わり”となるこの物語は、実際には決して終わらない。君と言う人をつくってきた物語は、感動と興奮、やるべきことに満ちた未来へと君を導いていく。決してなくならない物語だ」

「ジジ、君に良い未来がありますように。君はそれにふさわしい」

　一方で、ブッフォンの退団に“喜び”を表した人物もいる。４年前に破局した元妻、アレーナ・セレドバだ。ユーベの熱狂的なファンでもある元妻は、テレビ番組のインタビューで、ブッフォンの退団により「これからガッツリとまたユーベを応援するわ」と皮肉を口にした。

　ちなみに、離婚の原因となった浮気については、美容院に向かう途中に車のラジオで知ったといい、「事故を起こさなくてよかったわ」と話している。

　いずれにしても、40歳のブッフォンは、近いうちに進退を明らかにする予定だ。注目されるのが、２年契約をオファーしたと伝えられているパリ・サンジェルマン。『Gazzetta dello Sport』紙によると、パリSGのナセル・アル・ケライフィ会長は「アルフォンス・アレオラが来シーズンもウチの正守護神だ」と述べつつ、ブッフォンへの賛辞も口にした。

「ブッフォンはファンタスティックでカリスマ的な守護神だ。素晴らしい紳士だよ。すべてのクラブが彼のことを望むだろう。私はそう確信している」

　デル・ピエロが言う「終わらない物語」は、どのような形で続くのか。イタリアのみならず、世界のサッカーの歴史に名を残したレジェンドの決断が注目される。