【鹿島】「あれぐらいはやる」日本代表・手倉森コーチが見た鈴木優磨の可能性

カテゴリ:Jリーグ

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2018年05月10日

日本代表コーチにとり、そのパフォーマンスは想定内

決定的な仕事でチームを勝利に導いた鈴木。自陣ゴール前でFKを与えるファウルもあったが、視察に訪れた手倉森コーチは「ガムシャラにやればいい」と背中を押す。写真:徳原隆元

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[ACLラウンド16第1戦]鹿島3-1上海上港/5月9日/カシマ
 
 43分、CKのチャンスに相手GKが弾いたこぼれ球を豪快に蹴り込んだ。2-0で迎えた75分には、安西幸輝のクロスに果敢に飛び込み、相手のオウンゴールを誘った。
 
 決定的な仕事に絡んだ鈴木優磨は、相手ボールになれば懸命な走りで戻り、ディフェンスも手を抜かない。昌子源は「あんまり守備はさせたくない」と気遣うが、上海上港戦は左MFで先発フル出場した鈴木は、攻守にフル回転の働きを見せ、チームを勝利に導いた。
 
「あれぐらいはやる」
 
 この試合を視察に訪れていた日本代表の手倉森誠コーチにとり、鹿島の背番号9のパフォーマンスは想定内だったようだ。
 
 ただ、攻撃にも守備にもアグレッシブに振る舞うその姿を、若干気がかりにも思っているようだ。
 
「それがアダになることもある」
 
 後半の途中には、自陣ゴール前でFKを与える鈴木のファウルがあった。もちろん、意図的ではない。果敢なチェイシングが裏目に出てしまった格好だが、そのあたりのコントロールがうまくできてくればと、手倉森コーチは件のプレーを引き合いに出して説明する。
 
 もっとも、そんな鈴木に“ブレーキ”をかけるつもりはさらさらない。
 
「ただ今は、ガムシャラにやればいい」
 
 ウイークポイントを修正するより、ストロングポイントを伸ばす。日本代表だけでなく、かつてベガルタ仙台やリオ五輪代表チームを率いていた時もそうだったように、伸び盛りの選手を長い目で見守り、確実に成長を促してきた指導者らしい見解だった。
 
 以前の鈴木は、勢いはあるが一つのひとつのプレーが粗削りだったが、今季は特に正確さとクレバーさが徐々に身についてきた印象だ。
 
 それでも、良い意味で“丸くなる”のは早すぎる。まだまだ小さくまとまってほしくない。自らのポテンシャルをさらに引き延ばすような、ふてぶてしく、大胆不敵で、相手の予想を上回るようなプレーで、大きくステップアップしてほしい。
 
 その先に、日本代表入りも見えてくるはずだ。
 
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
 
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