ベルギー・ジュピラーリーグ連覇に向け、森岡亮太を擁するアンデルレヒトが昇り調子だ。
 
　レギュラーシーズンの上位６チームが参加して行なわれているプレーオフは、実力伯仲の拮抗したゲームが続出。日曜日の７節、アンデルレヒトは首位クラブ・ブルージュを相手に２－１で競り勝ち、ついにその差を２ポイントに縮めた。森岡はその大一番で決勝点となるヘディングを決め、これでプレーオフだけで３ゴール目。トップ下の位置で存在を誇示し、ＭＶＰ級の働きを見せている。
 
　そんな日本代表アタッカーを激賞したのが、ふたりの元ベルギー代表選手だ。全国紙『La Capitale』で解説を務めるコンビが、揃って森岡のパフォーマンスを称えている。

 

　まずは、1980年代に名CBとして鳴らしたジョルジュ・グルン氏。森岡はワースラント＝ベベレンでの活躍を評価され、今年１月にアンデルレヒトに電撃加入した。入れ替わるように退団した攻撃の核、ソフィアンヌ・ハニ（現スパルタク・モスクワ）の後釜として迎えられたのだ。グルン氏は「いまやハニ以上のものをチームにもたらしている」と評価する。
 
「モリオカは見事までにチームにフィットしたよ。想像を超える大活躍だ。正直言って、得点もアシストも決めていたハニの代わりはそう簡単に務まるものではないと考えていたが、いらぬ心配だったね。試合を重ねるごとにフィットし、仲間の信頼を勝ち取っていった。そしていまやプレーオフでは、ハニを超えるほどのプレゼンスを示している。素晴らしいとしか言いようがない」
 
　一方、グルン氏よりもひと回り年下のワルター・バセッジョ氏は、その守備面での貢献に着目。元ボランチらしい視点で、アンデルレヒトの中盤における森岡の働きぶりをこう称える。
 
「あの運動量は凄まじい。舌を巻かされるよ。ここまでエネルギッシュな選手だとは思っていなかったのでね。モリオカがあれだけ幅広く動き回り、守備面でのタスクを十二分にこなしているからこそ、アンデルレヒトの攻撃陣は伸び伸びとプレーできているんだ。他の中盤の選手の負担をかなり軽減させているね。（セントラルMFの）アドリエン・トレベルとともに、プレッシングの中心となっているよ」