初ゴール取り消しの伊藤は評価分かれる
第33節を迎えたブンデスリーガも、いよいよ大詰め。上位では、3位のドルトムントが敗れたことでシャルケの2位が確定。そして残留争いでは、17位のハンブルクが敗れ、非常に厳しい状況に追い込まれた。
日本人選手の出場は3人に止まったものの、そのなかで武藤嘉紀が輝きを放った。
日本人選手の出場は3人に止まったものの、そのなかで武藤嘉紀が輝きを放った。
ドルトムントとのアウェーゲームに臨んだ14位のマインツは、2-1で勝利し、残留を確定したが、CFとして87分までプレーした武藤は決勝点となるチーム2点目を決め、今シーズンのリーグ通算8点目をマークした。
2年連続でチームの残留を確定させるゴールを決めた武藤には、高い評価が並び、『ビルト』紙はチーム最高タイとなる2点。同じくチーム最高タイの2点を付けた『キッカー』誌は武藤をこの試合の最優秀選手に選出し、以下のように寸評を綴って攻守両面での貢献を称賛している。
「運の助けも得ながら、難しい2つの仕事を成し遂げてみせた。このストライカーはチームの2点目を奪い、ヴァイグルをチームから孤立させた」
また、地元紙『アルゲマイネ・ツァイトゥング』は残留を成し遂げたマインツの選手全員に1点を与え、武藤には「リーグ8点目を決めた。エズトゥナリへ素晴らしいパスを通して、あわや3点目というシーンを作り出した」と記した。
なお、ドルトムントの香川真司は足首の問題が再発し、メンバー外となっている。
リーグ戦5試合勝ちがない7位フランクフルトとのアウェーゲームに臨んだ17位ハンブルクは、0-3で敗戦。25分には伊藤達哉がネットを揺らすシーンがあったが、ビデオ判定の結果、オフサイドでゴールは認められず、その後3失点を喫した。
左MFとして先発した伊藤は、脳震盪でハーフタイムに交代。『ビルト』はチーム最低タイの5点、『キッカー』は4点と、厳しい採点が並んだ。
しかし、地元紙『ハンブルガー・モルゲンポスト』はチーム最高点となる3.5点を付け、「ブンデス初ゴールを奪ったかと思われたが、ゴールは取り消された。非常に辛い判定だ。ハーフタイムには、脳震盪で交代しなければならなかった」と記した。
さらに地元紙『ハンブルガー・アーベントブラット』は、「彼のミリ単位のゴールは、審判とビデオ判定により、オフサイドで認められなかった。その後、脳震盪で交代しなければならなかった」と、同様にオフサイドで幻となった初ゴールへの言及が中心となった。