「俺がキング」と豪語する堂安律はなぜ、欧州挑戦1年目で“MVP”を獲れたのか

カテゴリ:海外日本人

中田徹

2018年05月02日

ゴラッソを連発できた背景にあった「ある決断」

欧州挑戦1年目ながらフローニンヘンの年間MVPに選ばれた堂安。監督、チームメイト、そしてサポーターからも絶大な信頼を得た。(C) Getty Images

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 堂安律が今シーズンのエールディビジで挙げた9ゴールは、いずれも“個”の力を存分に発揮して奪ったものだった。

 初ゴールは右サイドからのクロスをトラップし、低い弾道でDFとGKの股下を射抜いたもの。2点目、7点目、8点目は左足の弾丸ミドル。3点目と9点目は、最後までボールを追うのを諦めず、相手のDF、GKと交錯しながらフリーになって決めたものだった。

 4点目は得意の右からのカットインが起点となって、こぼれ球を蹴り込んだ一撃で、5点目は4人に囲まれた密集地帯を抜け出し、さらに2人のDFの間に割って入って決めたスーパーゴール。6点目は味方とのワンツーから得意のゴールコースに抜け出した。

 センス、パワー、執念、粘り、ボディーバランス、フィジカルの強さ、カットイン、狭いエリアでの技術とアイデア、コンビネーション、真っ直ぐな球筋と軌道が変化するシュートの使い分け……いずれもゴラッソの連発だった。これに、ゴール前でボールを押し込むような“ごっつぁん系”の形が増えれば、来シーズンのゴール数は倍増するはずだ。
 

 ここで忘れてならないのは、堂安が自らの意思でフローニンヘンというプロビンチャを選んだという事実だ。

 ガンバ大阪在籍時に「PSVアイントホーフェンが興味を示している」と報道され、さらに昨年5月に韓国で開催されたU-20ワールドカップでの活躍により、アヤックスも獲得の意向を持ったという。しかし堂安は、出場時間を確実に得るためにフローニンヘンのオファーを受けた。

 もし、堂安がアヤックスに行っていれば、あのパトリック・クライファートを父に持つユスティン(オランダ代表)、さらにはダビド・ネレス(U-20ブラジル代表)との競争が待ち受けていた。PSVにも、イルビング・ロザーノ(メキシコ代表)、ステフェン・ベルフバイン(オランダ代表候補)、ガストン・ペレイロ(ウルグアイ代表)といった名うてのドリブラーが揃っている。

 この両チームはリザーブチームがオランダ2部リーグに属しているため、堂安もそこでしっかり出場時間を得ることはできただろうが、1部リーグとの差はあまりに大きい。しかもフローニンヘンの選手層は薄く、攻撃陣の限られた駒を見れば、入団当初から堂安の出場機会は確約されていた。つまり、しっかり地に足を付けた選択を堂安は下したということだ。
 
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