「他に候補がいないから入れたというか……」
ロシア・ワールドカップで優勝候補の一角に挙がるアルゼンチン代表だが、チームバランスはお世辞にも良好とは言えない。リオネル・メッシをはじめアンヘル・ディ・マリア、セルヒオ・アグエロ、ゴンサロ・イグアイン、パウロ・ディバラ、マウロ・イカルディと前線は質も量も世界最高水準にあるが、中盤と最終ラインはタレント不足が否めないのだ。
そんな中、5月2日発売の『ワールドサッカーダイジェスト』誌では、アルゼンチン在住のジャーナリスト、チヅル・デ・ガルシア氏が、クリスティアン・グロッソ記者(ラ・ナシオン紙)、エルナン・クラウス記者(オレ紙)という代表番記者コンビと討論会を開催。スタメンや23人リストを予想する中でも、そこでも人材不足が大きな話題になった。以下がワールドサッカーダイジェスト誌に掲載された一部+WEB限定公開のやり取りだ。
そんな中、5月2日発売の『ワールドサッカーダイジェスト』誌では、アルゼンチン在住のジャーナリスト、チヅル・デ・ガルシア氏が、クリスティアン・グロッソ記者(ラ・ナシオン紙)、エルナン・クラウス記者(オレ紙)という代表番記者コンビと討論会を開催。スタメンや23人リストを予想する中でも、そこでも人材不足が大きな話題になった。以下がワールドサッカーダイジェスト誌に掲載された一部+WEB限定公開のやり取りだ。
クラウス記者:サルビオは23人のリストに入れるか迷うな。攻撃力はあるし、献身的だから有事にはSBもこなせる。でも、だからといって「絶対に必要な選手か」と言われると、決してそうではない。他に候補がいないから入れたというか……。
グロッソ記者:前線以外はすべてそんな感じだよね。今のアルゼンチンで「エリート」と呼べる選手はメッシ、アグエロ、ディ・マリア、イグアインだけで、あとは全員「巧い選手」止まり。ペップの指導で伸びたオタメンディがかろうじて「エリート予備軍」と呼べる程度だ。アルゼンチン代表がワールドカップにいわば「埋め合わせのチーム」で参戦するのは、もう3大会連続になる。FW陣は世界最高だけど、中盤から後ろは質も量も物足りないね。
クラウス記者:イグアインは「クラブチーム限定のエリート」と言ったほうがいいかもしれないな。たしかに最近のアルゼンチン代表は大きな議論が起こるほど人材が豊富じゃないし、攻守のバランスが恐ろしいほど偏ったチームになってしまっている。例えば、ホセ(ペケルマン=現コロンビア代表監督)が率いていた2006年ワールドカップのアルゼンチン代表には、素晴らしいDFやMFが揃っていたよね。最終ラインにはソリン、ブルディッソ、アジャラ、コロッチーニ、エインセ、中盤には若き日のマスチェラーノ、カンビアッソ、ルチョ・ゴンサレス、マキシ・ロドリゲス、リケルメ、アイマール……。