監督じゃなくて「政治家」!? 札幌特有の連戦の苦悩にミシャが嘆き節

カテゴリ:Jリーグ

志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

2018年05月01日

「基本的にリカバリーとミーティングしかできない」

連戦での札幌特有の苦悩にミハイロヴィッチ監督が嘆いた。写真:徳原隆元

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[J1リーグ11節]仙台 2-2 札幌/4月28日/ユアスタ

「後ろからパスをつないでビルドアップをしたかった。ただ、相手が前からプレッシャーに来るなか、サポートの動きが少なくて攻撃を組み立てられなかった」

 2-2のドローに終わった仙台戦後、札幌の“ミシャ”ことペトロヴィッチ監督はそう言って唇を噛んだ。相手よりポゼッションで下回り、ビルドアップが上手くいかなかったことにも、悔しさを感じているようだった。しかし、それには原因があると続ける。

「サッカーは反復練習をしないと(パスの)ズレが生じる。そのため、札幌を率いてまだ3か月(の影響で)、ビルドアップが上手くいかない。あとは、この連戦中で、試合、移動、リカバリーを繰り返すなかで、なかなか練習に時間をさけない。選手たちの疲労も溜まっている」

 たしかに、今季から札幌に就任したペトロヴィッチ監督は、リーグが始まって約3か月しか経っていない。それに現在、1週間に2回のペースで試合が行なわれている連戦中だ。選手たちの疲労も溜まり、パスのズレが生じるのも無理はない。
 そんな状況に指揮官は「我々がこの後、どう移動するか知っていますか?」と会見で報道陣に投げかけ、連戦のスケジュールを語った。

「今日(4月28日)は札幌に帰りますが、宮の沢の練習場に戻るのは、おそらく0時30分くらいになる。そのため、明日(29日)はリカバリー(練習)になって、おそらく月曜日(30日)も調整メニュー(になるかもしれない)。そして、火曜日(5月1日)にはもう鳥栖に泊まらなければいけない。連戦は、ほとんどの試合がアウェーで移動も多い」

 J1最北端クラブ特有の苦悩だ。連戦中の長距離移動が重荷になっているのだろう。ちなみに、札幌の今後の試合日程は以下の通り。

5月2日(水)J1第12節 vs 鳥栖 [A]
5月5日(土)J1第13節 vs G大阪 [H]
5月9日(水)ルヴァンカップ・グループステージ第5節 vs 甲府 [H]
5月13日(日)J1第14節 vs FC東京 [A]
5月16日(水)ルヴァンカップ・グループステージ第6節 vs 清水 [H]
5月20日(日)J1第15節 vs 神戸 [A]

「マラソン」と形容する、この連戦中は「基本的にリカバリーとミーティングしかできない」という。そのためミシャ監督は、グラウンドにあまり立てずに、室内で話ばかりしていることから「サッカーの監督というよりは、政治家になったような気分」と冗談交じりに嘆いた。

 それでも、「毎試合、(選手たちは)非常によく頑張っている。チームにとって簡単ではないが、なんとか連戦を乗り切っていきたい」と意気込んだペトロヴィッチ監督。現在、8戦負けなしで4位につける札幌が、連戦中にどこまで好調を維持できるか注目したい。

取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
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