４月24日（現地時間）、チャンピオンズ・リーグ（CL）準決勝第１レグが行なわれ、リバプールが５-２でローマを下した。
 
　爆発的な攻撃力を持ってマンチェスター・シティを下したリバプールが、バルセロナ相手に見事な大逆転劇を演じたローマをホームに迎えた一戦。雨のなかで、注目の対決は幕を開けた。

　試合は開始１分でローマがゼコの戻しのパスを受けたストロートマンがペナルティーエリアの外からファーストシュートを放つと、すぐにリバプールも古巣対決となった絶好調サラーが左のカットインからのシュートでやり返す。
 
　ホームチームは４分にフィルミーノがエリア右側から惜しいシュートを放ち、７分にもチェンバレンがミドルで相手ゴールを襲ったが、ローマも敵陣深くまでボールを運ぶなど、互いに積極的な姿勢を見せる。
 
　そんななか、17分にリバプールをアクシデントが襲う。コラロフにスライディングタックルを仕掛けたチェンバレンが右足を傷め、ヴァイナルダムとの交代を余儀なくされたのだ。
 
　ここからローマがペースを握り、17分にはCKからこぼれ球を拾ったコラロフがクロスバーを叩くミドル。その後もリバプールの攻撃にうまく対処しながらボールを奪うとスムーズに繋いで、相手ゴールに迫っていった。
 
　そんな流れが変わったのが27分。フィルミーノのスルーパスからマネがスピードを活かして抜け出し、GKアリソンと１対１となる。決定的なシュートはクロスバーを越えたものの、ここからリバプールの怒涛の攻撃が始まり、マネは直後にもフィルミーノのクロスから得点機を迎えた。
 
　33分にマネがロバートソンのクロスをゴールに押し込むもオフサイドで無効という場面を経て、35分、中盤で圧力をかけてボールを奪ったリバプールは、右からエリア内に侵入したサラーが、左足でよくコントロールされたシュートをゴール左隅に決め、ついに先制点を奪った。
 
　さらに勢いづいたホームチームは、CKからミルナーがフリーでクロスバーを叩くヘッド、最終ラインから縦パスを受けてのヴァイナルダムのシュートと、チャンスを量産。そして44分、カウンターからフィルミーノが持ち込んでスルーパスを通し、抜け出したサラーは飛び出したアリソンの逆を突く冷静なシュートで２点目をチームにもたらした。
 
　リバプールが７割がたボールを保持してローマを押し込んだ前半。アウェーチームは、十分にその脅威を承知していながら、サラー、フィルミーノ、マネを抑え切れなかったが、それは後半も変わらず、立ち上がりから危ない場面を迎える。
 
　そして55分、左サイドを縦パス１本で破られ、抜け出したサラーのクロスをマネに合わされて３点目を失ってしまった。
 
　思い通りに試合を進めるリバプールは再三、相手ゴール前でチャンスを作ってローマDF陣を翻弄。64分、左サイドでボールを持ったサラーが、エリア内で簡単に縦に抜け出してグラウンダーのボールを入れ、フィルミーノの４点目のシュートをお膳立てした。
 
　ローマは個々の勝負でも完全にリバプールに負け、守備の組織も崩壊。そこにミスも加わって、ボールを失えば即大ピンチという状況に陥っており、69分にはCKでフィルミーノに空中戦で競り負け、あっさり５点目を献上してしまう。
 
　それでも気を取り直し、キックオフ直後の攻撃でCKから相手ゴールに迫ったのを手始めに、70分には交代出場のシックがロブレンのクリアをカット、さらに71分には左からのクロスにシックが頭で合わせるなど、ローマはアウェーゴールを求めて攻めの姿勢を見せる。
 
　なかなかリバプールの守備陣を崩すには至らなかったアウェーチームだが、80分にその努力は報われ、ナインゴランの縦パスをゴール前のゼコが胸でトラップしてGKミニョレと左ポストのあいだを射抜いた。
 
　さらに84分、右からのクロスがクリアされたところをナインゴランがボレーシュート。これがミルナーの左腕に当たってハンドと判定され、ローマはPKのチャンスを得る。ペロッティのシュートはミニョレの逆を突き、さらに点差を縮めることに成功した。
 
　その後も攻勢に立ってホームチームを押し込んだローマ。５失点目以前の流れが嘘のように一方的に攻めてリバプール・ゴール前にクロスを入れ、シュートを放っていったが、これ以上の追撃はならなかった。
 
　リバプールの凄まじい勢いが、自信を持って臨んだローマを完全に飲み込み、大量５点を奪って先勝。その一方で、ホームチームはやや詰めが甘く、終盤でローマに２つのアウェーゴールを与えてしまった。これがオリンピコでのリターンマッチにどのような影響を与えるか。勝負はまだ終わっていない。