［J１リーグ９節］G大阪 １-０ C大阪／４月21日／吹田S

　相手に浴びせた総シュート数は打ちも打ったり18本。それでもセレッソ大阪は、宿敵ガンバ大阪の壁を打ち破れずに“大阪ダービー”を落とした。

　そのシュート数が示す通り、C大阪は内容では勝者となったG大阪に決して劣ってはいなかった。しかし、試合後にユン・ジョンファン監督が、「たくさんの準備をしてきたが、それを出せなかった。相手が精神的に上回っていた」話したように、ダービーに向けた施策が実らなかった。

　C大阪は、17日に敵地・中国で行なわれた広州恒大とのアジアチャンピオンズ・リーグのグループステージ最終節に主力組を帯同させず、Jリーグ５連勝とダービーマッチの勝利を狙っていたのだ。

　失点はPKによる１点のみで、自分たちに多くあったチャンスを決めていれば、勝てた試合。２トップを形成した柿谷曜一朗と杉本健勇はともに「悔しい」と声を落とした。
 

　とりわけ、柿谷は、自身の責任を痛感するかのように、「結果は素直に受け止めないといけない。でも、PKはあったにせよ、DF陣はがんばってくれてたし……」と話し、さらに自身のパフォーマンスを悔いた。

「俺ら攻撃陣が点を取れなかったのがすべてかなと思います。失点してからはバランスを崩すのか、そのまま行くのかの意思統一が出来ていなかった。やっぱりダービーなんで単純に悔しいです。個人的に言えば、もう少しできたんじゃないかと思います」

“ミスターセレッソ”の証である「８」番を継承する柿谷は、「今日の負けは個人的には引きずりますし、すぐに切り替えられるかはわからない。今日はちょっと……悔しいっす」と苦虫を嚙み潰したような表情を浮かべながらも、今回のダービーで感じた“違い”を話してもくれた。

「僕の中のイメージでは、今までダービーは攻められて、攻められて、自分たちが我慢する時間が多い試合が多かったかなと思うなかで、今日は前半のサッカーが後半もできれば、チームとしては良かったのかなと。全員がボールを触って、受けて、フィニッシュのところは僕と（杉本）健勇が直さないといけないですけど、それまでの作りは悪くなかったと思います」

　その“違い”はなぜ生まれたのか。自分たちの成長なのか、それとも単にG大阪の不振が原因なのか――その答はやはりダービーでしか見いだせない。

「ホームで負けたら何を言われるかわからんし、何より悔しんでね。そんな思いはしたくない」と言葉を振り絞った柿谷ならば、10月５日に長居スタジアムで行なわれるリターンマッチで答えを導き出してくれるはずだ。

取材・文●羽澄凜太郎（サッカーダイジェストweb）

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