オーストラリアの猛攻を耐え凌ぎ、84分に横山久美が挙げた値千金弾で勝利を飾ったなでしこジャパン。堂々のアジアカップ連覇を達成し、ヨルダンの夜空に咆哮を轟かせた。
 
　センセーショナルなファイナルを速報で大々的に報じたのが、アジア・サッカー連盟（AFC）の公式サイトだ。まさに死地から生還したかのようなゲーム運びを見せた日本を称え、「戴冠に導いたヒーローはヨコヤマだ！」と銘打って、以下のようなマッチインプレッションを掲載した。
 
「ザ・ナデシコはオーストラリアが繰り出したシュートの大氾濫を生き残った。この夜を通じて圧巻だったのはキーパーのアヤカ・ヤマシタ（山下杏也加）だ。15分のPK阻止だけでなく、数え切れないくらいのピンチをディフェンダー陣とともに跳ね返し続けた。７日前にグループリーグで演じたドローゲーム（１－１）と同様に、オーストラリアが立ち上がりからラッシュを仕掛ける展開となったが、結末は違うものとなった」
 
　後半はさらなる劣勢を強いられた日本。だが満を持して62分に登場したスーパーサブ横山が、準決勝・中国戦での２得点に続き、大仕事をやってのけるのだ。

 

「走りに走って我慢していた日本が、鮮やかなゴールでリードを奪う。84分だった。投入から12分後、ヨコヤマはユイ・ハセガワ（長谷川唯）のボールを受けるとふたりの相手選手を交わしてトップコーナーに豪快に蹴り込んだ。100分以下の出場時間で４ゴール目を挙げる、見事な活躍である」
 
　そして最後は、こんな一文で締めくくった。
 
「オーストラリアは最後まで力強く同点弾を追い求めたが、日本が７年間で３つ目のメジャートロフィー（ワールドカップ１回、アジアカップ２回）を掲げた。偉大なる元代表選手、アサコ・タカクラ（高倉麻子監督）の下では初のタイトル奪取だ」