「ドリブル・ロボットのように――」
こうしてタイトル争いの行方は決したものの、欧州カップ戦出場権争いと残留争いは今なお混沌としており、今節も動きがあった。
2位のシャルケをホームに迎えた最下位ハンブルクは、3-2でリーグ戦16試合ぶりの白星を挙げ、17位に浮上。降格は既定路線と思われていたが、16位(入れ替え戦圏)マインツとの勝点差を5とし、ここへきて残留への望みも出てきた。
2位のシャルケをホームに迎えた最下位ハンブルクは、3-2でリーグ戦16試合ぶりの白星を挙げ、17位に浮上。降格は既定路線と思われていたが、16位(入れ替え戦圏)マインツとの勝点差を5とし、ここへきて残留への望みも出てきた。
左MFとして自身初となるフル出場を果たした伊藤達哉は、2点目をアシストするなどの活躍を見せ、地元メディアから称賛を浴びることになった。
『ビルト』紙はチーム単独最高点の1点を与え、今シーズン初めて、ベスト11に選出。『キッカー』誌もチーム最高タイとなる2点を付け、この試合のマン・オブ・ザ・マッチ(MOM)に選ぶと、「彼は長いあいだ、止められなかった。この日本人は、ホルトビーによる2点目を模範的にアシストした」と記している。
地元紙『ハンブルガー・モルゲンポスト』も、伊藤にチーム単独最高点の1点を付け、「“小さな男”はとても偉大だった。この日本人は、完璧にプログラムされたドリブル・ロボットのようにピッチ上を動き回り、ホルトビーのゴールを豪快にアシストした。これまでのハンブルクでのキャリアにおいて最高の試合をした」と褒め称えた。
別の地元紙『ハンブルガー・アーベントブラット』も、以下のように綴り、伊藤を絶賛している。
「観客のお気に入りになるだけのポテンシャルは持っていた。刺激に満ち、素早く、力強く、危険で、鋭かった。その動きは、切れ味鋭いプレイステーションの選手のようで、そのアシストは年間アシスト賞に値した。彼のことは愛す他ない」
一方、右SBとしてフル出場した酒井高徳の評価は割れた。『ビルト』は及第点となる3点を付けたものの、『キッカー』はチーム最低タイの4点と厳しかった。
地元紙『ハンブルガー・モルゲンポスト』は、「キャプテンは、今シーズンのなかでは良いパフォーマンスを見せた。守備ではよくオーガナイズされ、攻撃面でも見るべきところがあった」として3点を付けた。
一方、地元紙『ハンブルガー・アーベントブラット』は、「ボールを繋ごうとする面では上昇意識が見られたが、戦いの面では3つの?が付いた」と、厳しい指摘も忘れていない。