[高円宮杯JFA U-18プレミアリーグ　EAST第１節]柏レイソルU-18 ２-０ ジュビロ磐田U-18／４月７日／味の素スタジアム西競技場
 
　32分、オーバーラップしてきた右SBの貞廣大輔（３年）から鋭いクロスが上がる。“ドンピシャ”のヘッドで合わせたのが、CFの森海渡（３年）だ。序盤からペースを握っていた柏U-18に、待望の先制点をもたらした。
 
　その２分前には、スルーパスに反応して敵DFラインの裏に抜け出し、GKと１対１となったものの、左足のシュートをブロックされ、決定機を逃していた。次のチャンスを確実にモノにするあたりは、大会屈指の点取り屋の面目躍如といったところだ。
 
　非凡なのは得点力だけではない。185センチの長身を活かしたボールキープやポストプレーも巧みで、足下の技術も水準以上。さらに、本人が「最大の武器」と語るスピードも持ち併せている。
 
　４-１-４-１の１トップを任されたこの試合でも、ワンタッチでの落としや、懐の深いボールキープで柏U-18の攻撃を牽引。今シーズン初勝利に貢献した。
 
　だが、試合後の表情は引き締まったままだった。昨季も開幕戦で２ゴールを挙げながら、その後はなかなか結果を出せず、わずか４得点に終わったからだ。
 
「決められたのは良かったですけど、これからが大事です。去年は点が取れない時期が続いて本当に悔しかった。今年は点を取り続けたい」

　山中真監督も合格点は与えなかった。

「（森の）ポテンシャルを考えれば、まだまだこんなもんじゃない。チームのために献身的に走り続ける姿勢がまだ足りない。攻撃だけの選手では、トップチームに昇格しても、外国人とのポジション争いに敗れてしまう。何でもできる選手になってほしい」

　厳しい言葉は、期待の裏返しだ。
 
　目標とする選手は、「万能型のストライカーで得点力も高いから」という理由でバイエルンのロベルト・レバンドフスキ。ロシア・ワールドカップで日本代表の脅威となるであろう、ポーランド代表の大エースだ。
 
　長身を活かしたポストワークに、タイミングのいい裏への抜け出し、そして多彩なフィニッシュ。たしかに、レバンドフスキを想起させる部分は少なくない。
 
「どんな形でもゴールを決め続けたい。その結果、得点王になれればいいですね」
 
　そう決意を口にした森。このスケールの大きいストライカーが、今季のプレミアを沸かせてくれるのは間違いない。
 
取材・文●江國森（ワールドサッカーダイジェスト編集部）