[国際親善試合]日本１－１マリ／３月23日／スタッド・モーリス・デュフラン
 
「何を言えるかなという試合。まだまだやるべきことはたくさんある。まだ深く分析には入りたくない。現実を直視して、すべての側面でトレーニングをやっていきたい。ワールドカップはまだまだ遠い」

 
　１-１のドローに終わったマリ代表との試合後、日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督はそう落胆を露わにした。
 
　この試合、ラストワンプレーで同点弾を決めた中島翔哉を筆頭に、何人か代表経験の少ない選手が起用された。報道陣からチャンスを与えられた選手の評価に関する質問が投げかけられたが、指揮官は「かなりの選手をテストしたから、みなさんが思っている以上にやるべきことがたくさんある。誰のこともまだ判断したくない。今回は５、６人、先発で出したい選手がいなかった」と切り返した。
 

　ネガティブな言葉が並び、細かい試合分析の言及を避けたハリルホジッチ監督は、唯一ポジティブな点に「諦めずに同点に追いついたこと」を挙げた。しかし、もうひとつ光明があったと言う。それは、34分に負傷交代した大島僚太のプレーだ。
 
「組み立てのところで彼はしっかり関わって良いものが見られた。とくにギャップを突く前へのパスが良かった。横パスを出す選手が多いなかで、彼はそれができる。テクニック面は日本でもベストプレーヤーのひとりで、２列目から前に速く攻撃を仕掛けられる選手。グラウンダーのパスに（加え）、ターンも鋭い。それから認識能力も高い。怪我までは素晴らしいプレーをしていたから嬉しかった。大島の代わりに誰かを使うとなると難しい」
 
　怪我をしたため、ポジティブな点に挙げられないものの、34分間の大島のプレーは今後への光明だっただろう。そのため、指揮官は「大島はこれが初めての怪我じゃない。残念。前回もリズムが上がると怪我をして、今回も同じ。何度も悲劇の問題が起きている。怪我の状態はまだ詳しく分からないが、重大ではないことを祈っている」と述べる。
 
　昨年12月12日に行なわれたE-1選手権の中国戦に続き、大島が代表戦で負傷交代するのは２回目。怪我は多いが、ピッチに立てば徐々に本領を発揮し、司令塔として存在感を打ち出しているだけに、軽い故障であることを願いたい。

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