昨季まではサブのふたりを先発させて勝利した意義は大きい
[J1・4節]FC東京1-0湘南/3月18日/味スタ
どちらかと言えば、前半は湘南ペースに映った。FC東京はやや後手に回り、どうにか凌いでいる印象だった。決定機を与えないものの、湘南の躍動感あふれるサッカーに少し手を焼いている感があった。
しかし、後半開始直後の46分、良いとは決して言えない流れをD・オリヴェイラが断ち切る。前半の34分に絶好機を外していたこのブラジリアンは、東慶悟のパスを足もとに収めると、素早くゴールのほうを向いて右足を一閃。うなりをあげたボールはそのままゴールネットに突き刺さった。
喉から手が出るほど欲しかった先制点でリードしたFC東京はゆとりが出たのか、ここからパーフェクトなサッカーを展開する。前線からのプレスで湘南の足を止め、細かいパスワークを許さない。相手がどうにか蹴り出したボールを拾っては、素早く攻撃に転じて東、大森晃太郎ら2列目の選手が前線にチャンスボールを供給することでチャンスを作った。
追加点こそ奪えなかったが、後半は内容で湘南を文字通り圧倒。ハードワークが売りの相手をハードワークで上回ったという試合だった。トータルの走行距離は湘南のほうが上だったが、走りの質はFC東京のほうが明らかに上だった。
この後半の戦いぶりこそ、長谷川健太監督が求めているものではないか。実際、試合後に指揮官は「守備は完璧だったと思う」と力強い口調で言っていた。
どちらかと言えば、前半は湘南ペースに映った。FC東京はやや後手に回り、どうにか凌いでいる印象だった。決定機を与えないものの、湘南の躍動感あふれるサッカーに少し手を焼いている感があった。
しかし、後半開始直後の46分、良いとは決して言えない流れをD・オリヴェイラが断ち切る。前半の34分に絶好機を外していたこのブラジリアンは、東慶悟のパスを足もとに収めると、素早くゴールのほうを向いて右足を一閃。うなりをあげたボールはそのままゴールネットに突き刺さった。
喉から手が出るほど欲しかった先制点でリードしたFC東京はゆとりが出たのか、ここからパーフェクトなサッカーを展開する。前線からのプレスで湘南の足を止め、細かいパスワークを許さない。相手がどうにか蹴り出したボールを拾っては、素早く攻撃に転じて東、大森晃太郎ら2列目の選手が前線にチャンスボールを供給することでチャンスを作った。
追加点こそ奪えなかったが、後半は内容で湘南を文字通り圧倒。ハードワークが売りの相手をハードワークで上回ったという試合だった。トータルの走行距離は湘南のほうが上だったが、走りの質はFC東京のほうが明らかに上だった。
この後半の戦いぶりこそ、長谷川健太監督が求めているものではないか。実際、試合後に指揮官は「守備は完璧だったと思う」と力強い口調で言っていた。
湘南を零封した最終ラインには、若手の小川諒也が左サイドバック、プロ2年目の岡崎慎が右サイドバックを任されていた。本来なら、右に室屋成、左に太田宏介がレギュラーを務めているが、昨季まではサブだったふたりを左右のSBで先発させて勝利した意義は大きいだろう。
これで小川、岡崎の両DFはそれなりの自信を掴んだはずで、レギュラー争いは活性化するはずだからだ。G大阪時代に井手口陽介など若手を育ててきた長谷川監督は「平等」をモットーとしている。ネームバリューや実績ではなく、調子のいい選手を使う指揮官の下でなら、彼らは例年以上に成長できるのではないかと期待感が高まる。
一方で室屋や太田は危機感を持つはずで、そういう競争意識がひいてはチームの総合力アップにつながる。スタートダッシュこそ失敗したFC東京だが、この湘南戦の勝利を境に上昇気流に乗る気配もある。長谷川トーキョーの逆襲に期待したい。
取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
これで小川、岡崎の両DFはそれなりの自信を掴んだはずで、レギュラー争いは活性化するはずだからだ。G大阪時代に井手口陽介など若手を育ててきた長谷川監督は「平等」をモットーとしている。ネームバリューや実績ではなく、調子のいい選手を使う指揮官の下でなら、彼らは例年以上に成長できるのではないかと期待感が高まる。
一方で室屋や太田は危機感を持つはずで、そういう競争意識がひいてはチームの総合力アップにつながる。スタートダッシュこそ失敗したFC東京だが、この湘南戦の勝利を境に上昇気流に乗る気配もある。長谷川トーキョーの逆襲に期待したい。
取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)