[アルガルベカップ]日本 ２-０ デンマーク／３月５日／ポルトガル・アルガルベ

　気鋭のMFがなでしこジャパンに勝利をもたらした。

　ポルトガルで開催されているアルガルベカップに参加中の日本女子代表は、３月５日にデンマークと対戦。試合を終始押し気味に進めながら、ゴールが奪えない展開に嫌なムードが漂ったが、最終盤に歓喜の瞬間が訪れた。

　84分に熊谷紗希のフィードから途中出場の横山久美が右サイドを抜け出してシュート。またしても相手の好守備に阻まれ、誰もが頭を抱えた次の瞬間。こぼれ球に詰めていた長谷川唯が相手のクリアミスを見逃さずに右足でネットを揺らした。このゴールで勢いに乗った日本はアディショナルタイムに岩渕真奈がPKで追加点を奪取。２点のリードを最後まで守り切り、昨年のEUROで欧州2位に輝いたデンマークから勝利を掴んだ。

　勝点３の獲得に貢献した長谷川は日テレ・ベレーザに所属する21歳。各年代の代表に名を連ねると、昨年のアルガルベカップでついに代表デビュー。第２戦のアイスランド戦では２ゴールを挙げる活躍を見せ、その後もコンスタントに代表に招集されてきた新鋭だ。なでしこリーグでも昨季は良質なパフォーマンスを披露し、チームの３連覇に貢献。個人としてもベストイレブンを受賞した。

　ブレイクするきっかけとなったアルガルベの地で再び躍動した長谷川。試合後に得点シーンを振り返り、「こぼれ球に反応すると決めていたので、1個目のところは思ったところに来なかった」と思い描いたところにボールがこなかったことを明かした。それでも、粘り強く足を伸ばしてねじ込んだ一撃に、「綺麗な形ではないかもしれないけど、点が取れて良かったです」と頬を緩ませた。

　その活躍ぶりに高倉麻子監督も目を細める。「相手の足が少し止まってきた中で、連続で動いて難しいゴールがよく入ったなと思います」という言葉で、勝利の立役者となったヒロインを賞賛した。

　次は７日の順位決定戦。初戦でオランダに大敗を喫してから、修正を図ってきたなでしこジャパンにとっては今大会を総括するゲームとなる。その重要な一戦で長谷川はどのようなプレーを見せるのか。デンマーク戦のように結果を残せれば、代表での地位は確固たるものになっていくはずだ。

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