劇的ドローでウェンブリーへ! 英3部ロッチデイルがスパーズ相手にサプライズを起こす

カテゴリ:ワールド

サッカーダイジェストWeb編集部

2018年02月19日

88分に逆転されるも終了間際に執念の一撃を

土壇場でデイビス(左端)の一撃が決まり、トッテナム戦を引き分けに持ち込んだロッチデイル。再試合はウェンブリーで行なわれる。(C)Getty Images

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 ジャイアントキリングが頻繁に起こる世界最古のカップトーナメント、イングランド・FAカップ。その5回戦(ラウンド・オブ16)で、3部リーグのロッチデイルがプレミアリーグの強豪、トッテナム・ホットスパーと堂々渡り合った。アディショナルタイム3分に同点ゴールをねじ込み、再試合へと漕ぎつけたのだ。
 
 ゲームは立ち上がりからスパーズ(トッテナムの愛称)のペースで進む。ハリー・ケインやデレ・アリらをベンチに温存しつつも、タレント力で3部クラブを圧倒した。しかしながら、勝てば大儲け、引き分けでも再試合を聖地ウェンブリーで戦えるとあって、ロッチデイルの選手たちのモチベーションは天井知らずの高さ。凄まじいインテンシティーでトッテナムに自由を与えず、ホームサポーターも熱い応援で後押しした。すると前半終了間際、ビッグサプライズを起こす。一気のカウンターから素早くパスを繋ぎ、イアン・ヘンダーソンが先制点を挙げたのだ。
 
 だがそのまま勝ち切れるほど甘くはない。スパーズはギアをトップに上げ、59分に冬の新加入ルーカス・モウラが同点弾を挙げると、マウリシオ・ポチェティーノ監督は矢継ぎ早にエリク・ラメラ、ケイン、アリを投入。攻めあぐねたものの88分にケインがPKを決めてきっちり逆転に成功し、ほっと一息ついた。
 
 ドラマが生まれたのはここからだ。アディショナルタイム3分、左サイドからのアーリークロスをトッテナムDFの頭に当たり、エアポケットのように空いたゴール前にスペースで待ち受けたスティーブ・デイビスが左足を一閃! 豪快なハーフボレーを蹴り込んだのだ。敗色濃厚の展開から一転、スタジアムは熱狂のるつぼと化した。
 
 実はこのゲームにはちょっとした伏線があった。トッテナムのポチェティーノ監督がロッチデイルの本拠地のピッチ状態に苦言を呈していたのだ。「あのような荒れたピッチででは、選手たちの怪我が心配だ」と話したわけだが、指揮官が見ていたのは少し前の画像だった。クラブは50万ポンド(約7350万円)を投じてピッチ整備を完了させていたのである。ポチェティーノ監督はすぐさま謝罪。「私の勘違いで不愉快な思いをさせてしまい、申し訳なかった」と公式会見で語った。それがロッチデイル側を発奮させたわけではないだろうが……。
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