武者修行から戻り、実力でチームに居場所を確保。
赤丸急上昇中のニュースターを紹介する不定期連載。今回取り上げるのは、ベティスのカンテラ(下部組織)で育ったファビアン・ルイス。21歳の長身MFのもとには、すでに国内外のビッグクラブからオファーが届いているとの情報も――。
FABIAN Ruiz
ファビアン・ルイス
(ベティス/スペインU-21代表)
●生年月日/1996年4月3日
●出身地/ロス・パラシオス・イ・ビジャフランカ(スペイン)
●身長・体重/189cm・70kg
●主要ポジション/ボランチ、トップ下
●A代表/未招集
●キャリアの転機/ミランとのプレマッチでアピールに成功(17年8月)
――◆――◆――
昨夏、ベティスはスポーツ部門副会長のロレンソ・セラ・フェレール主導の下、キケ・セティエン新監督が志向するパスサッカー仕様のスタイルにマッチする選手を、精力的に補強した。
クラブの“本気”を目の当たりにし、ベティコ(ベティス・サポーターの呼称)は新シーズンへの期待感を膨らませていたが、同時に一抹の不満を覚えてもいた。その新プロジェクトの目玉になるはずだった司令塔のダニ・セバジョスが、レアル・マドリーへ移籍してしまったからだ。しかも1650万ユーロ(約21億4500万円)という、昨今の移籍市場においては超がつくほどの格安でだ。
近年は同じ町のライバル、セビージャに大きく後れをとっているとはいえ、ベティスは自前で育てたカンテラーノを中心に、個性溢れるチームとしてリーガを盛り上げてきた。現在キャプテンを務めるホアキン・サンチェスはその代表格で、彼以来、久々に台頭した大物カンテラーノが、ダニ・セバジョスだったのだ。
しかし、ベティスにはダニ・セバジョスと同い年で、ポテンシャルの大きさでは決して引けを取らない将来有望なカンテラーノが、もうひとりいた。2014-2015シーズンに2部でトップチームにデビューし、翌シーズンに1部の舞台を経験したファビアン・ルイスだ。
昨シーズンは、冬の移籍市場でエルチェ(2部)に半年間の武者修行に出された。首脳陣の間ではさらに1年、レンタルに出す構想もあったようだが、繊細なテクニックと非凡なパスセンスに加え、恵まれた体躯(身長189センチ)を誇る若武者は、プレシーズンマッチのミラン戦で強烈な一撃を得意の左足でゴール右隅に突き刺すなど、新監督に強烈にアピール。実力でトップチームに居場所を確保し、開幕を迎えたのだった。
ファビアンの名前は、すぐにスペイン全土を駆け巡った。5節のレアル・マドリー戦でスタメンに抜擢されると、中盤で積極的にボールを引き出しながら攻守にフル稼働し、1-0の勝利に貢献した。続くレバンテ戦では、55分に1部初ゴールを記録。大きなストライドのドリブルで持ち上がり、左足で豪快な一撃を見舞ったのだ。
FABIAN Ruiz
ファビアン・ルイス
(ベティス/スペインU-21代表)
●生年月日/1996年4月3日
●出身地/ロス・パラシオス・イ・ビジャフランカ(スペイン)
●身長・体重/189cm・70kg
●主要ポジション/ボランチ、トップ下
●A代表/未招集
●キャリアの転機/ミランとのプレマッチでアピールに成功(17年8月)
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昨夏、ベティスはスポーツ部門副会長のロレンソ・セラ・フェレール主導の下、キケ・セティエン新監督が志向するパスサッカー仕様のスタイルにマッチする選手を、精力的に補強した。
クラブの“本気”を目の当たりにし、ベティコ(ベティス・サポーターの呼称)は新シーズンへの期待感を膨らませていたが、同時に一抹の不満を覚えてもいた。その新プロジェクトの目玉になるはずだった司令塔のダニ・セバジョスが、レアル・マドリーへ移籍してしまったからだ。しかも1650万ユーロ(約21億4500万円)という、昨今の移籍市場においては超がつくほどの格安でだ。
近年は同じ町のライバル、セビージャに大きく後れをとっているとはいえ、ベティスは自前で育てたカンテラーノを中心に、個性溢れるチームとしてリーガを盛り上げてきた。現在キャプテンを務めるホアキン・サンチェスはその代表格で、彼以来、久々に台頭した大物カンテラーノが、ダニ・セバジョスだったのだ。
しかし、ベティスにはダニ・セバジョスと同い年で、ポテンシャルの大きさでは決して引けを取らない将来有望なカンテラーノが、もうひとりいた。2014-2015シーズンに2部でトップチームにデビューし、翌シーズンに1部の舞台を経験したファビアン・ルイスだ。
昨シーズンは、冬の移籍市場でエルチェ(2部)に半年間の武者修行に出された。首脳陣の間ではさらに1年、レンタルに出す構想もあったようだが、繊細なテクニックと非凡なパスセンスに加え、恵まれた体躯(身長189センチ)を誇る若武者は、プレシーズンマッチのミラン戦で強烈な一撃を得意の左足でゴール右隅に突き刺すなど、新監督に強烈にアピール。実力でトップチームに居場所を確保し、開幕を迎えたのだった。
ファビアンの名前は、すぐにスペイン全土を駆け巡った。5節のレアル・マドリー戦でスタメンに抜擢されると、中盤で積極的にボールを引き出しながら攻守にフル稼働し、1-0の勝利に貢献した。続くレバンテ戦では、55分に1部初ゴールを記録。大きなストライドのドリブルで持ち上がり、左足で豪快な一撃を見舞ったのだ。