【名古屋】FC東京に狙い封じられ、選手に迷い!? 苦戦の内容に風間監督が言及したのは…

カテゴリ:Jリーグ

今井雄一朗

2018年02月11日

「余裕を持ってボールを動かせるようになっているのは事実」と指揮官。

今季、キャプテンに就任した佐藤は、「相手の特徴を見てやりにくいだろうなと思う守備をしても良かった」と反省の弁を述べた。写真:今井雄一朗

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 この沖縄キャンプで最も気温が上がった10日、FC東京との練習試合をもって名古屋がプレシーズンキャンプを打ち上げた。1週間という短期間で「90分間の試合に慣れる」というテーマに挑んだチームは、3日前の浦和戦では素晴らしい躍動感を見せたが、強力な守備ラインを誇るFC東京の前に攻撃陣が空回り。45分×4本で1-1と引き分けに持ち込んだが、主力組が得点を奪えなかったのはひとつの課題を残す結果となった。
 
 名古屋にとっては誤算だったのが、前日から別メニュー調整に入ったジョーの不在だ。負傷などではなく、トレーニングコーチと相談の上でのコンディション調整ではあるが、一度良い形を作った後だけに、チームの動きはやや鈍かった。その上でFC東京は名古屋の代名詞である中央突破に対してブロックを築き、パスを回させるような戦い方で対応。J2時代にも時折苦戦した戦い方に、構築途中の名古屋はやはり手を焼いていた。
 
 さらには今季から、より強調するようになった前線からの守備が相手のカウンター狙いの餌食となり、攻めれば攻めるほどリスクが増す傾向が強まったのも低調の要因だ。佐藤寿人も「自分たちが何をするかも大事だけど、相手の特徴を見てやりにくいだろうなと思う守備をしても良かった」と反省の弁。リトリートして守る相手に対して、「最終ラインを超えていけ!」という風間監督の指示も、「スペースが少なかったです」(和泉竜司)と、なかなか遂行することができなかった。
 
 この日の失点はまさにカウンターから。相手DFのロングパスにディエゴ・オリヴェイラが抜け出し、折り返しの処理を名古屋DFがもたつく隙に前田遼一が抜け目なく決めたもの。一方の名古屋は、内田健太がミドルシュートを突き刺した。プレシーズンを通じて全体的に不足気味だったミドルシュートでゴールが生まれたのは収穫と言えるが、より課題と今後の修正点の方が目立った感は強い。
 
 風間監督は「選手たちの目は本当に揃ってきているし、余裕をもってボールを動かせるようになってきているのは事実」とチームの成長にフォーカスするが、それでも修正すべき部分はまだまだ山積する状態。一方で指揮官は、課題は守備そのものというより、攻撃の問題に端を発していると見ており、今後の取り組みは、「今までやってきたことをもう少し正確にすること」との言葉に集約されるだろう。
 
 ここから開幕までの2週間では「試合に向けての本当のコンディションを作っていく」(風間監督)ことになるが、彼らの身上である攻撃にどこまで迫力を加えていけるかが最大の焦点であることは間違いない。新戦力のフィットはまずまずの進捗を見せているだけに、キャンプで多くの課題が出たことは、改善と進化のヒントが多く示されたと取るべきだろう。
 
取材・文●今井雄一朗(フリーライター)
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