手が付けられないゴールラッシュだ。
 
　昨夏にリバプールに加入し、これまでプレミアリーグ25試合に出場して21得点。フィリッペ・コウチーニョがバルセロナへと去ったいま、レッズ（リバプールの愛称）の攻撃陣を力強く牽引しているのが、エジプト代表FWのモハメド・サラーだ。
 
　ドイツの移籍専門サイト『transfermarkt』が付けた最新の推定市場価格は8000万ユーロ（約104億円）と、ディディエ・ドログバやサミュエル・エトーら輝かしい実績を誇る偉大な先達を抜き去り、アフリカ出身選手の歴代最高額をマークしている。スペイン全国紙『MARCA』のインタビューに応えたサラーは、「活躍する自信はあったよ。リバプールに誘ってもらった時からイメージができていたし、ほかにもいくつかの移籍話があったけどすべて断った。（ユルゲン・）クロップ監督の下でプレーしたかったんだ」とコメント。「フィリッペがいなくなったのは寂しいけど、僕たちはもっと強くなれる。ファンタスティックな選手が揃っているからね」と語気を強める。
 
　現在21得点を挙げ、キャリアハイを更新中しながら、トッテナム・ホットスパーのFWハリー・ケイン（22得点）とプレミアの得点王争いを展開中だ。そんなサラーのスコアラーとしての資質に太鼓判を押すのが、レッズのOBでレジェンドのスティーブ・マクマナマナンだ。「モハメドはロビー・ファウラーやマイケル・オーウェンと同じゴールセンスを持っている、言わば天才だよ」と語り、こう続けた。
 
「彼はコンスタントに点が取れるアタッカーだ。たしかにシュートをよく外している印象があるけれど、あのウイングのポジションであれだけたくさんのチャンスに絡んでいるんだ。素晴らしい嗅覚で、これからも多くのゴールを決めるだろう。目を見張るのは（フィニッシュの）バリエーションの多彩さ。それは典型的なストライカーであるハリー（ケイン）よりも多いんじゃないかな。得点王も十分に狙えると思うよ」
 
　リバプールの公式ツイッターが「21得点」にまつわるデータを集計。それによると、
 
「左足で決めたゴール数：18」
「右足で決めたゴール数：２」
「ヘディングで決めたゴール数：１」
「開幕９試合での５得点はクラブ史上３番目の速さ」
「13試合で10得点はクラブ史上タイ記録」
「クラブ史上最速（プレミア）の20得点到達」
 
　という結果で、記録にも記憶にも残るパフォーマンスを披露しているのが分かる。
 
　まだ25歳と若く、声価を高め続けているサラー。日曜日に敵地で行なわれるサウサンプトン戦で、ケインを一気に抜き去るか!?