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【小宮良之の日本サッカー兵法書】たったひとりのカリスマが一国のサッカーの潮流を劇的に変える!

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2018年02月04日

まだ“文化”が存在しない中国サッカーだが…

代表監督は世界を制したマルチェロ・リッピ、各クラブには選手、監督ともに世界のトップクラス。そして世界一の人口を誇る中国だけに、サッカー強国となるための要素は多く揃っているが……。写真はヴィツェル、パットを擁する天津権健。 (C) Getty Images

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「例えば中国のFWには、フィジカルがとても強いタイプと、テクニックのあるタイプがいたり、様々なんだよ。それは欧州や南米にもあるんだろうけど、少し気になる。テクニックがあまりない選手の"あまりない”という感じが、欧州の選手と比べると"かなりない"という状況なんだ」
 
 北京国安でプレーするスペイン人ストライカー、ジョナタン・ソリアーノは、母国のスポーツ紙『マルカ』のインタビューに、そう答えている。
 
 オーストリアのレッドブル・ザルツブルグで、3度のリーグ得点王に輝いたソリアーノ。そんなワールドクラスのトッププレーヤーによる中国サッカー分析は、考察に値する。
 
「これはあくまで私見だが、育成に問題があると思う。欧州のような育成環境がないことで(技術が)身についていかないんだ。まだまだ、良い選手と、そうでない選手の格差が大きい。ベースの部分で差が出てしまうんだよ」
 
 2017年シーズン、ソリアーノは中国スーパーリーグでは19試合に出場し、16得点を叩き出した。育成に定評のあるエスパニョールで育ち、バルサBにも在籍したことのあるソリアーノにとって、中国における個々の技術の差は仰天するほどだと言う。
 
 しかし、それ以上に気になることがあるようだ。
 
「スペインでは、サッカーが『王様』だ。誰もがサッカーを知っているし、ひとつの文化になっている。子どもたちは、サッカー選手になりたくて仕方なく、ひたすらサッカーに打ち込む。でも中国には、まだそういう文化はない」
 
 中国のリーグは世界を動かすほどの財力を持ち、各国から有力な選手を集めているが、中国人選手のレベルアップには時間がかかっている。
 
 まだまだ、育成組織が確立していない。厳しい勝負になると、我を失って度を超えた激しいプレーを見せてしまう。その傾向は、昨年末のE-1選手権でも見られた。技術の差を見せつけられると、それに苛ついてキレてしまうのだ。
 
 サッカーとしての成熟には、まだ時間がかかるのだろう。
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