【FC東京】天然? 天才肌? 型破りな大森晃太郎はもしかすると…

2018年01月15日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

監督からは『行け』か、『やれよ』しか言われたことがありません」

即戦力として期待される大森。写真:徳原隆元

 2018年1月13日に『イオンシネマ シアタス調布』で350人のファン・サポーターを招いて開催されたFC東京の新体制発表会で、誰よりも笑いを取っていたのがこのオフに神戸から加入した大森晃太郎だった。しかし、本人にそんな意識は毛頭ない。
 
「笑いって、取りにいって取れるものでもないじゃないですか。ただ、しゃべったら笑われました。むしろ自分は緊張するタイプです」
 
 天然なのか、天才肌なのか。
 
 少なくともプレーに関しては天才肌だろう。というのも、大森は新体制発表会後の囲み取材でこんなことを告白している。「(G大阪時代にも指導を受けた)長谷川監督は僕のことをアホやと思っている。コイツに戦術のことを教えても無駄やと。実際、監督からは『行け』か、『やれよ』しか言われたことがありません」。
 
 ただ、そんな大森をFC東京に誘ったのは誰あろう、長谷川監督である。あくまで憶測だが、この指揮官は"型にハマらない、想定外のプレー"を大森に期待しているのではないか。事実、大森は掴みどころのないアタッカーだ。確かにドリブラーのイメージは強いが、シュートもパスも上手い。使う側にも、使われる側にもなれる万能型と言ってもいいだろう。
 
 型にハマっていないから「試合になると覚えてないシーンが多い」。大森がプレー中に重視しているのは「咄嗟の動きや瞬時の判断」で、それはまさに感覚的なもので型など存在しない。そういう感覚を磨くために大切なのが練習であり、そこで身に付けないと試合で力を発揮できないと大森は言う。
 
 ゴールを奪うために必要なファクターも、大森に言わせれば「運」となる。とはいえ、「自分が"持っているな"という場面はこれまでも多々あった」のは、日々の練習でインスピレーション(閃き)を磨いてきたからに他ならない。
 
 どこか型にハマっていて、スペクタクルに欠ける近年のFC東京にとって、大森はもしかすると良い意味で"チームを壊してくれる存在"になるかもしれない。
 
取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
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