スペインやイングランドから届く知らせに、インテルのサポーターは不安を感じただろう。しかしイタリアのメディアは、「マウロ・イカルディが冬のマーケットでレアル・マドリーに移籍することはない」と報じている。

　カリム・ベンゼマが批判にさらされているマドリーは、センターフォワードの補強が必須。そのターゲットのひとりとして以前から名前が挙がっているのが、今シーズンのセリエA20試合に出場して18ゴールを奪っているイカルディだ。

　スペインやイングランドの一部メディアは、そのイカルディがすでにマドリーのメディカルチェックを秘密裏に済ませていると報じていた。

　セリエA開幕から16試合連続無敗で好調だったものの、その後４試合白星から遠ざかり、失速が騒がれているインテル。それだけに、エースでキャプテンのイカルディを失うことになれば、その痛手は計り知れない。当然、ファンはその去就を心配している。

　しかしイタリア『Mediaset』は、イカルディの関係者が「とんでもないフェイクニュース」とすぐに報道を否定したことを伝え、『calciomercato.com』は、イカルディの代理人も務める妻のワンダ・ナラが、立て続けにバカンス先のモルディブでの写真をSNSにアップしていることが、事実上の報道否定だと分析している。

　また、イタリア『Sky Sports』も、「イカルディとインテルの双方に１月移籍の考えはない」と報道。リーダーの自覚が芽生えたイカルディはシーズン途中での退団を望んでいないとし、メディカルチェックのニュースは「根拠がない」と切り捨てた。

　その一方で『Sky Sports』は、「シーズン後の去就は不透明」とも報じた。イカルディの契約には、「夏の一定期間内だけ１億1000万ユーロ（約143億円）の契約解除金が設定される」というものがあるが、昨今の市場の高騰ぶりを考えると、マドリーのようなメガクラブにとってその額を支払うことは十分あり得るからだ。

　また、イカルディを狙うビッグクラブはマドリーだけではない。『Sky Sports』は夏にはアーセナルやパリ・サンジェルマン、バイエルン・ミュンヘンといったクラブの動向も注目されると伝えており、そのためにインテルがイカルディとの契約をふたたび更新し、契約解除金の額を上げる可能性もあるとしている。

　もっとも、イカルディとの契約を更新するためにもインテルは、まずチャンピオンズ・リーグ出場権獲得という再優先目標を達成しなければいけない。ひとつ確かなのは、いずれにしても、ワンダ・ナラの夏は忙しくなるということだ。