【現地発】今後どうなる!? ブンデスリーガ前半戦で良くも悪くも主役を演じた者たち

カテゴリ:連載・コラム

中野吉之伴

2018年01月07日

監督の存在が脚光を浴びた前半戦

バイエルンのハインケス監督(左)とドルトムントのシュテーガー監督(右)。ともに監督交代の効果はてきめんだった。 (C) Getty Images

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 ドルトムントが開幕ダッシュに成功し、逆にバイエルンが序盤で躓いた。
 
 今シーズンのブンデスリーガは、いつもと違うかもしれない。ドイツ・サッカーのファンのあいだでは、そんなドキドキがあったはずだが、前半戦終了時には結局、いつもと同じ展開になってしまっていた感はある。

 解任されたカルロ・アンチェロッティの後を受けたユップ・ハインケスの監督就任とともに見事、上昇気流に乗ったバイエルンがその後は無敗で首位に返り咲き、ドルトムントのペテル・ボシュ監督は躓きからの転がりを止めることができないまま、シーズン途中で解任の憂き目に遭った。
 
 アシスタントコーチのヘンドリー・クリュツェンは、オランダ紙『トゥバンティア』に対し、失墜はウカシュ・ピシュチェクの負傷で始まったとの見解を示し、「彼は他の選手を鼓舞し、情熱的に取り組んでくれた。(負傷後)副キャプテンのソクラティス(・パパスタソプーロス)にリーダーとしての役割を期待したのだが……」と語っている。
 
 そして、「GKとDF陣は守備の安定を求め、MFとFWは前からどんどん攻めるサッカーを好んでいた。それに27人の選手は多すぎた。出られない選手が不満を溜め、変なグループができてしまった」と述懐した。
 
 言わんとすることは分かるが、それを何とかするのが、監督をはじめとするコーチングチームに求められるものだろう。ブンデスリーガで優勝争いに絡み、チャンピオンズ・リーグで決勝トーナメントに進出することがノルマだったドルトムントで、選手が多すぎるという指摘も、少しズレている。
 
 監督・コーチの仕事は、サッカー観が正しく、理論を伝える術を持っているというだけで何とかなるものではない。選手を走らせ、戦わせ、共通認識の下でプレーさせるためには、様々な人間関係をコーディネートできなければならない。
 
 ハインケスはまさに、その仕事を完璧に貫徹し、バイエルンを生き返らせた。チーム内の空気を引き締め、やるべきこと、やってはならないことに厳しい線を引く。それでいて、規律で押さえつけるのではなく、選手それぞれの特徴が活かせるように、自由にプレーできる枠も残しておく。
 
 ペップ・グアルディオラ時代の緻密さや優雅さはないが、相手に押し込まれても失点せずに勝ち切るしたたかさが戻ってきた。後続グループとの勝点差は、すでに11。リーグ優勝は今シーズンも鉄板だろう。
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