【高円宮杯】昨年のリベンジを果たしたFC東京U-18。優勝の要因はU-23チームの存在にあり

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

2017年12月11日

思い通りに選手を使えなかったからこそ、佐藤監督は積極的な選手起用で選手の力を底上げしたのだ。

1年生から3年生まで、FC東京U-18は全員の力で初優勝を掴んだ。写真:松尾祐希(サッカーダイジェストWEB編集部)

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 FC東京U-18が昨年のリベンジを果たし、見事にEASTの頂点に立った。
 
 12月10日、高円宮杯U-18サッカーリーグ2017・プレミアリーグEASTの最終節が行なわれた。首位を走る清水エスパルスユースが敗れた一方で、勝点1差の2位・FC東京U-18は同ポイントの3位・青森山田に3-2で逆転勝利。その結果、FC東京が初優勝を決めた。

 プレミアリーグEASTを初制覇したFC東京。思い返せば、昨季もリーグ優勝は目前まで迫っていた。勝点1差の2位で迎えた1年前の最終節。この時の相手も首位を走る青森山田だった。しかし、勝てばOKというシチュエーションを生かせず、涙を流す結果となった。
 
 そして、迎えた新シーズン。悔しさを胸に3冠を掲げてスタートをしたが、春先から苦戦した。その理由はベストメンバーを組めなかったから。昨季からJ3にU-23チームを送り込んでおり、今季もU-18から多くの選手が参戦した。その影響でU-18のメンバー構成は毎試合ごとに変わるため、思い通りの布陣で挑むことができず、勝点を積み上げられなかった。

「自分の引き出しが増えるよね(笑)」

 佐藤一樹監督が自嘲気味にこんな言葉をこぼすほど、選手の起用法はチームを悩ませた。J3とプレミアリーグが同じ日に行なわれることも多く、1日違いで開催されることも度々あった。また、平川怜(2年)や久保建英(1年)はU-17日本代表の活動に参加する機会が増えた。原大智(3年)なども夏以降にU-18日本代表に招集され、選手のコンディションも含めて理想とするメンバーで挑む機会はさらに限られた。

 使いたい選手を使えない――。それでも、佐藤監督はその状況をネガティブに捉えなかった。他の選手にチャンスが与えられるという前向きな姿勢でリーグ戦に挑んだのだ。
 
【PHOTO】2018Jクラブ・新卒入団&昇格内定~高校・ユース編

 すると、この苦しい台所事情に選手たちも応えた。開幕当初は実力が乏しかったプレーヤーも、ユース年代トップクラスの戦いを経験することで計算が立つように。とりわけ、後半戦は7勝2分という圧巻の成績で駆け抜けた。その原動力となったのは、代表組やJ3組の代わりにピッチに立った面々だ。中盤の杉山伶央(3年)やCBの篠原新汰(3年)などは序盤戦に多くの経験を積み、夏場以降の好調を支える要因となった。
 
 また、それに呼応するようにJ3組や代表組も新たな刺激をチームに持ち帰ってきた。原は夏のクラブユース選手権で得点王に輝くと、U-18日本代表に定着。「いろんな舞台でやる難しさはある。でも、それが自信になった」と本人も語るように、国際大会やJ3でプレーをしたことでユース年代の戦いだけでは得られないものを掴んだ。気が付けば、チームの選手層はどこよりも分厚いものになっていたのである。
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