「チームを勝たせる選手になりたい」とも語る。
12月9日に東アジアE-1選手権初戦(北朝鮮戦)を控えた日本代表が8日、味の素スタジアムで前日トレーニングを行なった。
冒頭のランニングやサーキットトレーニングで常に先頭にいたのは、鹿島アントラーズ所属のCB昌子源だった。
国際Aマッチウィークではないため海外組を呼べない今大会は、キャプテンの長谷部誠をはじめ、吉田麻也、長友佑都、川島永嗣など経験豊富なベテラン勢が不在。さらに招集された中では2番目の43キャップを誇る清武弘嗣が、12月6日の練習中に頭を強く打ったため戦線離脱した。A代表経験という意味では今野泰幸(90キャップ)、金崎夢生(10キャップ)に次ぐ7キャップで、2017年シーズンの鹿島ではキャプテンマークを巻く機会も増えている昌子には、リーダーシップも期待されている。
それだけに練習後は取材陣からリーダーやキャプテンに関する質問も飛んだが、本人は「キャプテンとかはまったく意識していない」と言い切った。
「先頭を走っていたのは、『自分がやらなあかん』って気持ちでは正直ない。僕は鹿島でも常にできるだけ前のほうを走ろうと思っているし、海外組がいるときの日本代表でも同じ。そういう性格なんだと思います。今回は悠くん(小林)、秋くん(倉田)、彰吾くん(谷口)とかクラブでキャプテンマークを巻いてきた人もいますしね。みんなでやらないといけないって意識があるし、良い雰囲気だと思います」
今大会は前記した通り海外組が不在のため、とりわけ国内組にとってはロシア・ワールドカップ本大会の23人入りを懸けた“最終オーディション”とも言える位置付け。11月の欧州遠征では2試合連続出番なしと悔しい想いをした昌子も、「日本代表での悔しさは、日本代表で晴らすしかない」と語るなど、当然モチベーションは高い。
しかし、だ。昌子は「個人の出来よりも、まずチームの勝利が大事」と強調した。
「チームがまず勝つことを考えれば、自然と個人的にも良いプレーができるようになる。個人の評価がすごく大事になる大会ですが、チームが負けたら、個人の評価もクソもない。まずチームが勝って優勝する。それが一番大事だと思う。逆にそれを意識したうえでそれぞれが良いプレーをすれば、チームを勝利に導ける」
そう語った昌子はさらに、「今年の鹿島で、『チームを勝たせる選手になりたい』って思うようになった。ディフェンダーでも中盤でもフォワードでもそういう選手は絶対に必要。日本代表でもその想いは変わりません」、「ディフェンスラインでは僕が一番招集歴が多いので、しっかりみんなを引っ張りたい」ともコメントした。
冒頭の言葉とは裏腹に、実にリーダー然とした気遣いの精神、チームファーストの意識、熱い闘志を感じさせた。今大会は誰がキャプテンマークを巻くのかまだ不透明だが、昌子が日本代表のリーダーのひとりとなるのは間違いない。
取材・文:白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト)
冒頭のランニングやサーキットトレーニングで常に先頭にいたのは、鹿島アントラーズ所属のCB昌子源だった。
国際Aマッチウィークではないため海外組を呼べない今大会は、キャプテンの長谷部誠をはじめ、吉田麻也、長友佑都、川島永嗣など経験豊富なベテラン勢が不在。さらに招集された中では2番目の43キャップを誇る清武弘嗣が、12月6日の練習中に頭を強く打ったため戦線離脱した。A代表経験という意味では今野泰幸(90キャップ)、金崎夢生(10キャップ)に次ぐ7キャップで、2017年シーズンの鹿島ではキャプテンマークを巻く機会も増えている昌子には、リーダーシップも期待されている。
それだけに練習後は取材陣からリーダーやキャプテンに関する質問も飛んだが、本人は「キャプテンとかはまったく意識していない」と言い切った。
「先頭を走っていたのは、『自分がやらなあかん』って気持ちでは正直ない。僕は鹿島でも常にできるだけ前のほうを走ろうと思っているし、海外組がいるときの日本代表でも同じ。そういう性格なんだと思います。今回は悠くん(小林)、秋くん(倉田)、彰吾くん(谷口)とかクラブでキャプテンマークを巻いてきた人もいますしね。みんなでやらないといけないって意識があるし、良い雰囲気だと思います」
今大会は前記した通り海外組が不在のため、とりわけ国内組にとってはロシア・ワールドカップ本大会の23人入りを懸けた“最終オーディション”とも言える位置付け。11月の欧州遠征では2試合連続出番なしと悔しい想いをした昌子も、「日本代表での悔しさは、日本代表で晴らすしかない」と語るなど、当然モチベーションは高い。
しかし、だ。昌子は「個人の出来よりも、まずチームの勝利が大事」と強調した。
「チームがまず勝つことを考えれば、自然と個人的にも良いプレーができるようになる。個人の評価がすごく大事になる大会ですが、チームが負けたら、個人の評価もクソもない。まずチームが勝って優勝する。それが一番大事だと思う。逆にそれを意識したうえでそれぞれが良いプレーをすれば、チームを勝利に導ける」
そう語った昌子はさらに、「今年の鹿島で、『チームを勝たせる選手になりたい』って思うようになった。ディフェンダーでも中盤でもフォワードでもそういう選手は絶対に必要。日本代表でもその想いは変わりません」、「ディフェンスラインでは僕が一番招集歴が多いので、しっかりみんなを引っ張りたい」ともコメントした。
冒頭の言葉とは裏腹に、実にリーダー然とした気遣いの精神、チームファーストの意識、熱い闘志を感じさせた。今大会は誰がキャプテンマークを巻くのかまだ不透明だが、昌子が日本代表のリーダーのひとりとなるのは間違いない。
取材・文:白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト)