柏木、長澤のポジションを奪って日本代表になる!――山田直輝、浦和復帰の真相

カテゴリ:Jリーグ

佐藤亮太

2017年12月07日

「1日1日気持ちが変わっている」

湘南のJ2優勝とJ1昇格に大きく貢献した山田。シーズン終了後は、その去就が注目されていた。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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「一生に一度のサッカー人生。チャレンジしたい気持ちに勝てなかった」
 
 2015年から3シーズン、期限付き移籍で加入した湘南ベルマーレを経て、来シーズン、浦和レッズに山田直輝が戻ってくる。
「チャレンジ」と「日本代表」。このふたつの想いを抱いて――。
 
――◆――◆――
 
 今年10月中旬。リーグが佳境にさしかかるとともに、各クラブは来季への補強の準備を進める時期でもある。
 
「3年のレンタルは普通、あり得ないからね」
 
 言葉の主は、浦和レッズ・山道守彦強化本部長。その言葉には、浦和の街で育った“秘蔵っ子”山田へのクラブ側の譲歩と我慢が見え隠れしていた。その一方、「もう一度、浦和で勝負した方が良い。彼は浦和の人間だから」と湘南での高い評価と愛情があった。
 
 ちょうど同じ頃、山田はJ1昇格に向け、チームの主力として邁進していた。右にいたかと思えば、左に。前にいたかと思えば後ろへと動き回り、自在にボールを捌く。
 
 さらに、ここぞの勝負時に顔を出し、ゴールに迫る。J2・35節のツエーゲン金沢戦では開始11秒でゴールを決めたこともあった。以前は試合に出ても、すぐ怪我をしていた弱い身体は湘南のハードなトレーニングと食事の改善でタフな戦いに耐え得る身体となった。
 
「献身・創造・魅了」
 
 幾度となく怪我に見舞われ、試合に出られない不遇の時は終わった。プロ9年目の今季、誰もが見たかった山田直輝らしいプレーを見せ続けた。
 
 J1昇格が見え始めた秋頃から、山田は「来年、自分はどこのチームにいるか」と漠然と考え始めた。その漠然としたものが深い悩みに変わったのは、リーグ最終戦が終わった後の11月下旬。
 
 湘南残留か浦和復帰か――。
 
 チームメイトに「1日、1日、気持ちが変わっている」と気持ちを明かすなど、心は振り子のように行ったり来たりしていた。
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