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【現地発】微妙な支持を得たモイーズ政権の行く末は? ウェストハムは戦闘意欲を取り戻したが…

カテゴリ:ワールド

山中忍

2017年11月28日

ホーム・サポーターたちが突然、歌い始めたチャントの内容は…。

勝てなかったものの、ウェストハムにファイティングスピリットを取り戻させたモイーズ。そのモチベーターとしての才は、名立たる名将が揃うプレミアリーグにおいても屈指のものだが……。 (C) Getty Images

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 11月24日(現地時間)のロンドン・スタジアム。1−1で迎えた55分過ぎにホームのウェストハム・サポーターたちが立ち上がって騒ぎ始めた。レスターに喫した失点を帳消しにする同点ゴールが生まれたのは、ハーフタイムを含む25分ほど前のことだった。
 
 目の前で勝ち越しゴールが生まれたわけでもなければ、ビッグチャンスに恵まれたわけでもない。ピッチでは、アルトゥール・マスアクが左サイドを駆け上がってはいたが、クロスは難なく相手守護神キャスパー・シュマイケルにキャッチされていた。
 
 この、ため息も漏らしたくなるぐらいのプレーを前に、ホーム・サポーターたちは「赤紫と青のデイビッド・モイーズ軍団!」と繰り返し声を上げた。

 試合はそのまま引き分けに終わったのだが、このチャント合唱は、モイーズ新体制に対するメディアの見方を、少しばかり前向きに変えた。
 
 20日前の11月7日に、スラベン・ビリッチを解任して監督交代に踏み切ったウェストハム。フロントの望みは、まず第一に残留争いの泥沼から抜け出すことにあった。
 
 そのためには、ホームで確実にポイントを重ねる必要があるが、昨シーズンから本拠地となった旧オリンピック・スタジアムは、スタンドからピッチまでが遠く、対戦相手を飲み込むような雰囲気が生まれないどころか、チームの低調も相まって自軍サポーターの静けささえ目立つ。アドバンテージとはほぼ無縁の「ホーム」となっていた。
 
 そのロンドン・スタジアムで、新任のモイーズは初陣から、レスターのマーク・オルブライトンが、「威圧されたよ」と試合後に認めるほどの威圧的な雰囲気を、サポーターに作らせたのだ。
 
 就任が決定してから、モイーズに対する評価は芳しくなかった。後任の是非について多数決を取れば、「非」が過半数を占めただろう。SNSでの反響を見る限り、ウェストハム・ファンの大半は、モイーズを歓迎していない様子だった。
 
 それは無理もない。モイーズは、昨シーズン途中で監督に就任したサンダーランドで、勝率2割にも満たず、最下位でチームを2部に降格させていたからだ。

 元ウェストハムのFWディーン・アシュトンは、「自分が選手なら、やる気を駆り立てられるような監督人事ではない」と、『BBC』のラジオ番組内で懸念を示していたくらいだ。
 
 その逆風に対して、元イングランド代表DFのフィル・ネビルは、「うってつけの新監督」とポジティブな見方。しかし、モイーズが11年にも及ぶ長期政権を実現させたエバートンで主将を務め、短命に終わったマンチェスター・ユナイテッドでもチームスタッフの一員だったP・ネビルは、いわばモイーズの息のかかった識者であり、その評価は身内の域を出なかった。
 
 ウェストハムのデイビッド・サリバン共同オーナーは、チームカラーのマフラーを巻くモイーズのイラストが表紙を飾るレスター戦のマッチデープログラムの中で、「プレストンとエバートンでの仕事ぶり」を評価していた。

 しかし、エバートンを去ったのが4年前とは思えないほど、モイーズの栄光ははるか昔のことのように感じられる。それが英国内における、このスコットランド人指揮官に対する大半の評価だった。
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