11月26日（現地時間）、ブンデスリーガ第13節が行なわれ、ハンブルクは３-０でホッフェンハイムを下した。

　直近の10試合でわずか１勝しか挙げられず降格圏の一歩手前（16位）にいるハンブルクが、はるかに上の順位のチーム（ホッフェンハイムは７位）をホームに迎えた一戦。キャプテンの酒井高徳はボランチとしてスタメンに名を連ねたが、伊藤達哉は３試合ぶりのベンチスタートとなった。
 
　試合開始から２分、ホッフェンハイムがカウンターから右サイドを抜け出したツバーがクロスを入れ、ニャブリが中央で合わせるという決定機（わずかに枠外）をいきなり作り出してホームチームに冷や汗をかかせたが、ここから主導権はハンブルクが握ることとなる。
 
　全選手が精力的に動いて相手にプレッシャーをかけ、中盤でボールを支配したハンブルク。右サイドから幾度か相手ゴールに迫った後、６分に今度は左サイドを抜け出したD・サントスが決定的なクロスを入れる。これがホッフェンハイムDFアコポグマのオウンゴールを誘発し、幸先良く先制ゴールを奪った。
 
　ハンブルクはその後もボールを保持して攻勢を続ける。ルーズボールを拾って連続攻撃を仕掛ける一方で、相手が時折仕掛けるカウンターにも、パパドプーロスらDF陣が身体を張って対応し、決定的な場面を作らせない。
 
　酒井は豊富な運動量でピッチを広く動き回り、攻守でプレーに絡む。デュエルでも強さを発揮し、相手の攻撃を止めたり、遅らせたりする一方で、攻撃では14分にこぼれ球に反応してシュートを狙い、45分にはカウンターで自らボールを持ち込んで、コスティッチに好パスを通した。
 
　試合はハンブルクのペースながら、長く膠着状態が続き、40分あたりからようやくホッフェンハイムが攻撃を仕掛けて幾度かフィニッシュまで持ち込むが、ゴールネットを揺らすことはできず、ホームチームのリードのまま折り返し地点を迎えた。
 
　後半も主導権を握ったのはハンブルク。49分にウッドがペナルティーエリア手前で浮き球を処理し、振り向きざまにボレーシュートを放つと、ボールは左ポストを叩く。53分には、アルプが中央からドリブルから右足を一閃するも、GKバウマンの好セーブに阻まれた。
 
　60分にもアルプのスルーパスを受けたコスティッチが、左の角度のない位置から強烈なシュートを放つが、バウマンの優れた敏捷性がゴールを許さない。コスティッチは左サイドの抜け出しから好機を量産し、63分、67分と酒井からの縦パスを受け、ウッド、アルプに決定機を提供した。
 
　69分にもアルプが個人技でDFをかわしてゴールを襲ったのに対し、ホッフェンハイムはなかなか攻撃のかたちを作ることができずにいたが、71分にシュルツがエリア内でDFを前にしながら強引なシュート。ボールは軌道が変わったが、GKマテニアはしっかり反応してCKに逃げた。
 
　ようやくアウェーチームがチャンスを作ったものの、直後にウッズが倒されてハンブルクが敵陣でFKを得る。ゴール正面30メートルほどの位置から、コスティッチが直接狙うと、ボールはゴール右側に突き刺さり、ハンブルクは貴重な追加点を手にした。
 
　２点差をつけられてようやく攻勢を強めたホッフェンハイムに対し、ハンブルクは安定した守備を維持。逆に88分にはスローインからシップロックがダイレクトのヘッドがクロスバーを叩き、はね返りを拾ってから左のクロスをディークマイアーがヘッドで折り返すと、中央でユンクが詰めてダメを押した。
 
　今シーズン初の３点差勝利を飾り、４勝目を挙げたハンブルク。最高の時間帯でゴールを奪い、守備ではクリーンシートを達成するなど、まさに会心の勝利だった。なお、勝利に貢献した酒井はフル出場。一方、伊藤に出番は訪れなかった。ハンブルクは次節（12月１日）、フライブルクとアウェーで対戦する。