【東京V】いぶし銀の輝きを放った橋本英郎「僕は味スタに戻りたくない」発言の真意は?

カテゴリ:Jリーグ

梶山大輔(サッカーダイジェスト)

2017年11月20日

『勝たないといけない』という感覚が薄れる試合は、僕らには良くない。

投入後は味方にプレスのかけ方を指南するなど、さっそくピッチ上の指揮官ぶりを発揮。いぶし銀の輝きを放った。(C)TOKYO VERDY

画像を見る

[J2リーグ42節]東京V2-1徳島/11月19日/味スタ
 
 70分ごろ、東京Vのベンチが少し慌てた様子を見せる。接触プレーで負傷したボランチの井上潮音がピッチに座り込み、続行不可能となったからだ。
 
 ここで投入されたのが、百戦錬磨の大ベテラン・橋本英郎だった。
 
「まずは指示されたことをやろうという感じでした。あとは、ドゥ(ドウグラス・ヴィエイラ)とアラン(・ピニェイロ)がプレスの部分で多少戸惑っていたので、そこを整理して、ハッキリしてあげた」
 
 冷静に試合を振り返った背番号27の強みは、戦況を分析できる戦術眼だ。その鋭さは、弊社ウェブサイトの連載でも度々披露しているとおり。この日もまさしくピッチ上の指揮官として味方に的確な指示を送り、徳島に逆転を許さなかった。
 
 そしてその戦術眼は、ほかの部分でも活かされていた。
 
「投入された時は、選手に他会場の結果を伝えませんでした。ピッチで戦う選手がどういう感情でいるのかわからなかったし、気持ちを揺さぶる必要はなかった。どう反応するかもわからないので、伝えて良いことがあるとは思わなかった。勝たなければいけない状況だったなら、伝える必要があったとは思いますが」
 
 橋本の投入から17分後に決勝弾が生まれ、昇格プレーオフへの進出が決定した。準決勝で4位・福岡とのバトルに勝利したうえで、6位・千葉が勝ち上がれば、決勝は味スタで迎えることとなる。この点については、笑みを浮かべながら次にように話す。
 
「みんなは味スタに戻りたがってましたけど、僕はあまり戻りたくないですね。ホームで千葉と戦うことになれば、僕らは引き分けでも昇格が決まる。『勝たないといけない』という感覚が薄れるし、そういう試合は僕らには良くない。チャレンジしていくことが重要で、今日の試合もそう。引き分けで良いなかでもチャレンジしたことで、徳島に勝利できた。アウェーで勝ち切る試合のほうが良いと思います」
 
 初の昇格プレーオフを戦う東京Vにとって、Jリーグ通算434試合に出場してきた大ベテランの存在は頼もしい限り。チャレンジの気持ちを忘れない38歳とともに、まずは福岡戦の勝利を目ざす。
 
取材・文:梶山大輔(サッカーダイジェスト編集部)
 
【関連記事】
【J2採点&寸評】東京V2-1 徳島|白熱の一戦を制した東京Vがプレーオフへ!こぼれ球を押し込んだ伏兵をMOMに選出
【東京V】プラチナ世代のリーダー格が大仕事! 内田達也が歩んだ充実と苦難の一年
【現役の眼】橋本英郎がブラジル戦を見て考えた「日本はどうすれば強豪国に勝てるのか」
【現役の眼】元日本代表MF、橋本英郎が指南する「巧いボランチの見極め方」
【東京V】百戦錬磨のロティーナ監督が明かした徳島戦の勝因「今日の試合の鍵は…」

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 唯一無二の決定版!
    2月15日発売
    2024 J1&J2&J3
    選手名鑑
    60クラブを完全網羅!
    データ満載のNo.1名鑑
    詳細はこちら

  • 週刊サッカーダイジェスト いざW杯予選へ!
    3月8日発売
    元代表戦士、識者らと考える
    日本代表の現在地と未来
    2026年へのポイントは?
    J1&J2全クラブ戦力値チェックも
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 夏の移籍を先取り調査!
    3月21日発売
    大シャッフルの予感
    SUMMER TRANSFER
    夏の移籍丸わかり
    完全攻略本2024
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ