稀代のドリブラー、本山雅志をも唸らせた「オノシンジの超絶技巧」

カテゴリ:Jリーグ

川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

2017年11月20日

「ボールコントロールを観ているだけで楽しかったですから」

“名パートナー”小野伸二との思い出を語ってくれた本山。常に笑顔の、底抜けに明るいコンビだった。写真:筒井剛史

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 いわゆるゴールデンエイジの面々を一人ひとり訪ね歩く連載シリーズ『黄金は色褪せない』。近日スタートする第5弾のゲストは、天真爛漫な名ドリブラー、ギラヴァンツ北九州の本山雅志だ。
 
 今回も本編に先駆けて、とっておきのエピソードをお届けしよう。長きに渡って互いを認め、高め合ってきた本山と小野伸二。そのグレイトパートナーとの“黄金秘話”だ。
 
───◆───◆───
 
 1998年当時のユース代表には、恒例のショータイムがあった。それは知るひとぞ知る格別の代物で、練習がはじまる直前に開演される。毎度毎度、それが楽しみでしょうがなかった。
 
 ダブル主演は、シンジ(小野伸二)&モト(本山雅志)だ。このふたりの天才テクニシャンは決まってコンビを組み、リフティングのパス交換をしていた。それが兎にも角にも、思わずスタンディングオベーションをしたくなるほど娯楽性に富んでいた。
 
 毎回「これできる?」とどちらかが新技を披露すると、相棒はすぐさま呼応し、3回目、4回目くらいでマスターしてしまう。黄金世代の仲間たちでさえ食い入るように見ている。その極上の空間に割って入る者は、誰ひとりとしていなかった。同じ周波数を持つ者同士だけが通じ合える、言わばテレパシーのようなもの。まさに「お金を払ってでも見たいエンターテインメント」で、その後の五輪代表やA代表でも拝ませてもらった。
 
 本山が振り返る。
 
「ああ、やってたやってた。なんでですかね、べつにいつも決めてたわけじゃないけど、自然とシンジとボールを蹴ることが多かったかな。『これできるようになったんだよね』っていうと、シンジなんかあっさりできちゃうわけですよ。逆の立場の僕はちょっと時間かかりましたけど、シンジは速攻で。もうね、シンジのボールコントロールを観ているだけで楽しかったですから」
 
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