現地時間11月17日、メキシコリーグ前期最終節が行なわれ、パチューカは敵地でアトラスと対戦した。
 
　インターナショナルウイーク明けの一戦で日本代表MFの本田圭佑は７試合連続で先発出場。前節のケレタロ戦（メキシコリーグ16節）に続いて、４-２-３-１の右サイドハーフで起用された。
 
　勝てば、優勝プレーオフ進出が決まるアトラスが、ホームサポーターの後押しを受けて序盤から攻勢を強める。一方、すでに同プレーオフへの望みが潰えているパチューカも堅守速攻のスタイルで相手に応戦して、試合は一進一退の展開となる。
 
　その中で、チームの速攻の起点となった本田はビッグチャンスを演出する。
 
　まずは24分に左サイドに開いた本田はカットイン気味にボックス内に侵入して、右足で強烈なシュートを見舞うも、相手GKミゲル・ファルガの好セーブに阻まれる。
 
　さらに31分にもカウンターの場面で、ハーフウェーライン付近から相手ボックス手前まで持ち運んだ本田が、ゴール前の味方にラストパスを供給。しかし、これは受けたビクトル・グスマンが決めきれなかった。
 
　やや攻め込まれたアトラスだが、前半終了間際にかつてバルセロナで活躍し、国民的な選手でもあるラファエル・マルケスが先制弾を呼び込む。
 
　45分、マルケスがゴール前に絶妙なロブパスを放り込むと、これに反応したホセ・マデーニャが頭で合わせてネットを揺らした。
 
　ホームチームが均衡を破ったところでハーフタイムに突入した。
 
　迎えた後半は、試合を決定付ける追加点を奪おうとするアトラスが猛攻を仕掛ける。51分にクリスティアン・タボ、53分にミルトン・カラグリオと立て続けにパチューカゴールを脅かした。
 
　74分に19歳のアルゼンチン人ストライカーのヘルマン・カノを投入して、攻撃へのギアを入れ直したパチューカだったが、アトラスが自陣に人数を割き始めたことで、必殺のカウンターも繰り出せず……。さらにパスの精細も欠いて相手ゴールを脅かすには至らなかった。
 
　試合の経過とともに満員のスタンドからホームチームへの声援が強くなり、スタジアムは熱気に包まれたが、アウェーのパチューカは試合終盤にスタジアムの雰囲気を一変させる。
 
　91分、左サイドからのエリク・サンチェスが絶妙なクロスボールを供給。これをゴール前に攻め上がっていたオマール・ゴンサレスが頭で落とすと、反応したロベルト・エレーラが右足で突き刺したのだ。
 
　結局、試合は１-１で決着。土壇場で追いつかれたアトラスは、自力でのプレーオフ進出を決めることができなった。
 
　終始、相手に苦しめられたパチューカだったが、前期リーグを５勝４分８敗で18チーム中暫定12位という成績でフィニッシュした。
 
　今夏にミランから鳴り物入りで加入した本田は、移籍直後こそ負傷や慣れない高地ということも影響して欠場が続いていたが、最終的には前期リーグで17試合中12試合（７試合に先発出場）に出場し、３得点をマークした。
 
　特に10月半ば以降は、完全なる主力に定着して新天地で定位置を確保した印象もある。それだけに本田には、12月６日からUAEで始まるクラブワールドカップや準決勝までに残っている国内カップ戦、後期リーグでの活躍に期待が高まる。