夢の「デシマ」へ歴史的勝利を掴んだマドリー
レアル・マドリーは、歴史に残る勝利をミュンヘンの地に刻んだ。カルロ・アンチェロッティはマドリー史上、バイエルンのホームで勝った初めての監督となった。一方のジョゼップ・グアルディオラは、ホームでマドリーに敗れた初めてのバイエルンの監督となった。負けただけではない。バイエルンはマドリーに翻弄され、あらゆる意味で凌駕されたのである。
ピッチ内外で、監督の差が出た準決勝だった。グアルディオラが一体どこで「試合前にマドリーはもう勝ったつもりでいる」と思わせる記事を読んだのかは誰にも分からない。今回の対戦では、彼は紳士ですらなかった。
ここ数年、グアルディオラこそがスペクタクルの象徴と見る流れが確かにあった。それはまるで、彼がサッカーというスポーツを発明したかのようだった。ペップ以外のサッカーは、良きサッカーやスペクタクルに反するものだと。
バルサでの功績を批判するつもりはない。バルサで出した結果は誰にも否定できないものだ。しかしこの準決勝で、マドリーはバランスと戦術バトルでバイエルンを凌駕した。躍動感と切れ味鋭いカウンター。それだけではなく、彼らはパスをつなぎながらゲームを支配できることも証明してみせた。
ともに1年目だが、違いは大きい。グアルディオラは自らのサッカーをバイエルンに持ち込んだ。一方でアンチェロッティは自らを押し通すのではなく、マドリーのサッカーに合わせ、その持ち味を最大限に引き出そうとしたのである。
グアルディオラが自身のサッカーを植え付けることができないとは言わないが、それには時間がかかるだろう。バイエルンには彼のサッカーに不可欠な、シャビとイニエスタとメッシがいないのである。
一方でアンチェロッティは継続性を重んじた。ビセンテ・デルボスケが、ルイス・アラゴネスのサッカーを引き継ぎ、時間とともに少しずつ自分の色を加えていったように。
マドリーがバイエルンに提示したのはすべての面における圧倒だ。そして今、彼らが見ているのは夢の「デシマ」(スペイン語で10の序数。ここでは10度目のチャンピオンズ・リーグ制覇)である。
【記者】
Pablo POLO|MARCA
パブロ・ポロ/マルカ
スペイン最大のスポーツ紙『マルカ』でレアル・マドリー番を務める敏腕記者。フランス語を操り、フランスやアフリカ系の選手とも親密な関係を築いている。アトレティコ番の経験もあり、首都の2大クラブに明るい。
【翻訳】
豊福晋
ピッチ内外で、監督の差が出た準決勝だった。グアルディオラが一体どこで「試合前にマドリーはもう勝ったつもりでいる」と思わせる記事を読んだのかは誰にも分からない。今回の対戦では、彼は紳士ですらなかった。
ここ数年、グアルディオラこそがスペクタクルの象徴と見る流れが確かにあった。それはまるで、彼がサッカーというスポーツを発明したかのようだった。ペップ以外のサッカーは、良きサッカーやスペクタクルに反するものだと。
バルサでの功績を批判するつもりはない。バルサで出した結果は誰にも否定できないものだ。しかしこの準決勝で、マドリーはバランスと戦術バトルでバイエルンを凌駕した。躍動感と切れ味鋭いカウンター。それだけではなく、彼らはパスをつなぎながらゲームを支配できることも証明してみせた。
ともに1年目だが、違いは大きい。グアルディオラは自らのサッカーをバイエルンに持ち込んだ。一方でアンチェロッティは自らを押し通すのではなく、マドリーのサッカーに合わせ、その持ち味を最大限に引き出そうとしたのである。
グアルディオラが自身のサッカーを植え付けることができないとは言わないが、それには時間がかかるだろう。バイエルンには彼のサッカーに不可欠な、シャビとイニエスタとメッシがいないのである。
一方でアンチェロッティは継続性を重んじた。ビセンテ・デルボスケが、ルイス・アラゴネスのサッカーを引き継ぎ、時間とともに少しずつ自分の色を加えていったように。
マドリーがバイエルンに提示したのはすべての面における圧倒だ。そして今、彼らが見ているのは夢の「デシマ」(スペイン語で10の序数。ここでは10度目のチャンピオンズ・リーグ制覇)である。
【記者】
Pablo POLO|MARCA
パブロ・ポロ/マルカ
スペイン最大のスポーツ紙『マルカ』でレアル・マドリー番を務める敏腕記者。フランス語を操り、フランスやアフリカ系の選手とも親密な関係を築いている。アトレティコ番の経験もあり、首都の2大クラブに明るい。
【翻訳】
豊福晋