王者が捲土重来を期する名門を退けた。現地時間10月28日、セリエA11節でユベントスがミランを２-０で下した。
 
　前節のヴェローナ戦で４試合ぶりに勝利したミランは、３-４-２-１システムを採用。元ユベントスのボヌッチが前節に続いて出場停止で欠場となったため、３バックにはサパタ、ロマニョーリ、ロドリゲスが並んだ。
 
　一方、２連勝中のユベントスは、慣れ親しんだ４-２-３-１を採用。２列目の中央にはディバラが入り、最前線にはイグアインが起用されるなど、先発には盤石のメンバーが名を連ねた。
 
　試合は立ち上がりからミランが積極果敢に王者を攻め立てる。３分にロドリゲスがFKで直接狙えば、６分にはペナルティーエリア内でカリニッチがボレーを放ったが、いずれも相手守護神ブッフォンの牙城を崩すには至らなかった。
 
　やや押し込まれたユベントスだったが、15分以降はボールポゼッションを高めて主導権を握る。すると、その攻撃的な姿勢が得点に結びつく。
 
　23分、ピアニッチからの楔のパスをバイタルエリアで受けたディバラが、ゴール前に走り込むイグアインへ絶妙なボールを供給。これを背番号９がワントラップ後に間髪入れずに右足を振り抜き、ゴール右下隅へ叩き込んだ。
 
　先手を取って守勢に回ったユベントスに対して、ミランは前線からアプローチを仕掛けて相手を押し込むことに成功すると、前半アディショナルタイムにビッグチャンスを掴む。
 
　ロドリゲスのアーリークロスをチャルハノールがフリックすると、それをボックス内でフリーとなっていたカリニッチが狙う。しかし、渾身の左足のシュートはブッフォンに弾かれた後、クロスバーに当たって得点にならなかった。
 
　アウェーチームが１点をリードして迎えた後半も、前掛かりに攻めるミランに対して、守備に重きを置いて速攻の隙を伺うユベントスという展開で、試合は進行していった。
 
　攻め手を欠いたミランに対して、堅守を維持したユベントスは、63分にまたもアルゼンチン代表FWがワンチャンスをモノにする。
 
　左サイドを持ち上がったアサモアからのパスを、ディバラが跨いで背後に流すと、これを受けたイグアインが右足でシュート。この一発がポストに当たってゴールへと吸い込まれた。
 
　イグアインのセリエA通算100ゴール目となるドッピエッタ（２得点）でリードを広げたユベントスは、その後、全員が自陣に戻って逃げ切りの体勢を構築。一方のミランは相手の堅牢に手を焼いて膠着状態に陥ってしまう。
 
　状況を変えたいミランは、77分にA・シウバを投入して攻撃の枚数を増やすも、分厚いユベントスの守壁を打ち破る術はなく、ゴール前にも踏み込ませてもらえずに封殺されてしまい万事休すとなった。
 
　危なげなく２-０で勝利したユベントスはセリエA３連勝を達成し、暫定２位に浮上。王者に屈したミランは、これが今シーズン５敗目。モンテッラ監督解任の噂も上がる中で白星を手にすることは叶わなかった。

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