失点シーンでは駆け引きまで上回られてしまった。
仙台の渡邉晋監督による現役指揮官コラム「日晋月歩」の第25回。テーマは「セットプレー」だ。前節の鳥栖戦、そして今節と、チームはリスタートから失点を喫してしまった。その点を渡邉監督はどう受け取っているのだろうか。
FC東京戦でゴールを許してしまったことやゾーンディフェンスに変更したきっかけ、現状での手応えなどを赤裸々に語ってもらった。
――◆――◆――
[J1リーグ26節]FC東京 1-0 仙台/9月16日(土)/味スタ
FC東京は監督交代(9月10日に篠田善之氏が退任、安間貴義氏がトップコーチから昇格した)からの初ゲームで、非常に大きなパワーが生まれるタイミングだった。実際に相手のスプリント数は200回を超えるなど、直近4試合の映像とはまったく違うチームだった。
ただ、安間さんが指揮を執ることで「こういうことをしたいのだろう」という予測は立てていて、戦い方も想定の範囲内ではあった。それに対して、守備面では前からプレスを掛けることに成功し、仮にそれを上手く剥がされても次善策が機能しており、ここ数試合で一番メリハリが利いていたと思う。
CKから失点を喫して勝点を逃す結果となったが、締まった試合は得てしてセットプレーが分水嶺になる。あのシーンはCKが2本続いて、その2本目で得点を許したのだが、1本目に餌を撒かれていた。
そこに食い付いて、先に動いたところをやられてしまった。相手の駆け引きの上手さ、そして餌を撒いた場所にピンポイントでボールを送るキック精度も持つ選手が相手には存在した。
うちはゾーンで守っているのだが、「ゾーンディフェンスだから失点した」というわけではない。マンツーマンにしても、メリットとデメリットはあり、世界トップクラスの強豪であってもセットプレーに対するパーフェクトな守備を確立しているわけではなく、度々、ゴールネットを揺らされている。
むしろ、CKそのものよりも前段階に注意を払いたいと考えている。今回のCK数は「1:6」。前述したが、6本のうち2本を続けざまに与えてしまった。そこに改善の余地はある。
遡って考えるが、後半開始直後から失点するまでの約20分間はセカンドボールの奪取率は著しく低下し、押し込まれる展開となってしまった。そこでマイボールにできていれば、流れは変わっていたはずだ。
では、なぜ前半と違って後半にセカンドボールを拾えなくなってしまったのか。それはFC東京の戦い方の変化にもあるような気がする。
FC東京戦でゴールを許してしまったことやゾーンディフェンスに変更したきっかけ、現状での手応えなどを赤裸々に語ってもらった。
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[J1リーグ26節]FC東京 1-0 仙台/9月16日(土)/味スタ
FC東京は監督交代(9月10日に篠田善之氏が退任、安間貴義氏がトップコーチから昇格した)からの初ゲームで、非常に大きなパワーが生まれるタイミングだった。実際に相手のスプリント数は200回を超えるなど、直近4試合の映像とはまったく違うチームだった。
ただ、安間さんが指揮を執ることで「こういうことをしたいのだろう」という予測は立てていて、戦い方も想定の範囲内ではあった。それに対して、守備面では前からプレスを掛けることに成功し、仮にそれを上手く剥がされても次善策が機能しており、ここ数試合で一番メリハリが利いていたと思う。
CKから失点を喫して勝点を逃す結果となったが、締まった試合は得てしてセットプレーが分水嶺になる。あのシーンはCKが2本続いて、その2本目で得点を許したのだが、1本目に餌を撒かれていた。
そこに食い付いて、先に動いたところをやられてしまった。相手の駆け引きの上手さ、そして餌を撒いた場所にピンポイントでボールを送るキック精度も持つ選手が相手には存在した。
うちはゾーンで守っているのだが、「ゾーンディフェンスだから失点した」というわけではない。マンツーマンにしても、メリットとデメリットはあり、世界トップクラスの強豪であってもセットプレーに対するパーフェクトな守備を確立しているわけではなく、度々、ゴールネットを揺らされている。
むしろ、CKそのものよりも前段階に注意を払いたいと考えている。今回のCK数は「1:6」。前述したが、6本のうち2本を続けざまに与えてしまった。そこに改善の余地はある。
遡って考えるが、後半開始直後から失点するまでの約20分間はセカンドボールの奪取率は著しく低下し、押し込まれる展開となってしまった。そこでマイボールにできていれば、流れは変わっていたはずだ。
では、なぜ前半と違って後半にセカンドボールを拾えなくなってしまったのか。それはFC東京の戦い方の変化にもあるような気がする。