「全員が納得していたわけではない」ハリルがスタメン決定までの苦悩を明かす

カテゴリ:日本代表

サッカーダイジェストWeb編集部

2017年09月01日

「選手たちは細かい指示をすべて完璧に実行した。驚いたよ」。

一夜明けて、仕切り直しの記者会見に臨んだハリルホジッチ監督。若手の抜擢登用には、やはり苦悩の跡が……。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

画像を見る

 日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督が9月1日、オーストラリア戦後の記者会見で質疑応答に応じなかったことを詫び、あらためて報道陣の前で口を開いた。
 
 続投宣言が飛び出すなど注目発言が続いたが、なかでも興味深かったのが、「昨夜のスタメンはどのようにして決めたのか」という問いに対する回答。歴戦の指揮官であっても、少なからず迷いが生じていたようだ。
 
「送り出すメンバーの8割は頭の中でできていた。残りのところはまだ決まり切ってなかったのだが、それはハタチそこそこのふたりの選手についてだ。若い選手を使うことに関して、かならずしも全員が納得していたわけではない。こうしたプレッシャーの中ではたして戦えるのか、力を出し切れるのか。もちろん心配はあったが、最後のトレーニング(水曜日)の後で決断した」
 
 いったんスタメンが決まってからも、コーチングスタッフが慌ただしく動き回ったという。約束事を徹底させるためだ。
 
「個別でも、グループでも、セクションでもこと細かに説明したよ。オーストラリアのメンバーを考えた時、きっと中盤の人数を増やしてくるだろうと予測していた。オフサイドラインぎりぎりで裏を狙える選手を前に置いて、随時ポジションを入れ替えさせながらプレーさせるなど、ルールを徹底した。そうした意思疎通は、試合の直前まで続いたんだ。オーストラリアが予想していた長身選手を起用してこなかったため、さらに微調整が必要になった。中盤でどうプレッシャーを掛ける。誰がどうプレスを仕掛け、逆サイドをどう見るか、どの高さでブロックを作るか。本当に細かい指示ばかりだったが、選手たちはそれらすべてを完璧に実行してくれたよ。これには正直、驚かされた」
 
 インサイドハーフでプレーさせた井手口陽介と山口蛍の出来については?
 
「とにかくグラウンダーの速いボールでパスを回せと伝えていて、井手口とホタルにとってはチームでもやっていない役割であり、不慣れなところはあったのかもしれないが、十分に個人の力を見せてくれた。井手口のシュートは素晴らしかったね。彼が代表チームであれだけの重責を担うのはほぼ初めてだが、堂々と戦い、ゴールまで決めてくれた。あのプレーを見せられて、私は誇りに感じたよ」
 
 最後は、「一人ひとりの犠牲精神が素晴らしいチームだ。だからこそまだまだ進化できると信じている。もっとトレーニングの時間を作り、もっとたくさん話し合えればね」と、さらなる成長に自信を滲ませた。
【関連記事】
【セルジオ越後】山口蛍、今野、そして井手口…Jリーグ勢がW杯に導いた
日本突破に韓国メディアの反応は?「両国の運命は大きく変わった」「ハリルホジッチは正しかった」
「ショックで言葉にならない」豪州代表キャプテンが明かした、完敗劇の舞台裏
フランスの老舗専門誌が怒れるハリルを詳報「相も変わらず血をたぎらせて…」
【釜本邦茂】ロシアはハリル続投でOK! どんなサッカーだろうが言うことを聞き過ぎるのが問題

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ