【ベガルタ戦記】渡邉晋の『日晋月歩』|「危機感」を選手には意識させ過ぎない

カテゴリ:連載・コラム

渡邉 晋

2017年08月15日

選手たちが伸び伸びとプレーできるように。

絶対に落とせなかった広島戦。試合前のミーティングではあえて危機感を煽ることなく、伸び伸びとプレーしてもらえるように努めた。(C) SOCCER DIGEST

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 仙台の渡邉晋監督による現役指揮官コラム「日晋月歩」の第21回。テーマは「危機感」だ。勝利が遠のいていた状況で、選手たちにはどのように接していたのか。今節を迎えるまでの心境や試合内容とともに話してもらった。
 
――◆――◆――
 
[J1リーグ22節]仙台 1-0 広島/8月15日(日)/ユアスタ
 
 6月4日の14節・甲府戦(3-0)以来の勝利をホームで挙げられた。広島戦にむけては、前節までの結果を受けて自分の中では大きな危機感があり、それをどうやって選手のモチベーションに変えられるかを考えていた。
 
 前回のコラムにも書いたが、9日に行なわれた21節・磐田戦の翌日のトレーニングでは、選手たちの逞しさを感じられた。きっと「危機感」と「新加入選手のフレッシュさ」が相まって生まれたエネルギーだったのだろう。
 
 そして広島戦の前日の紅白戦は、緊張感の漂う質の高いゲームとなった。スタメンを入れ替えることによる競争意識の高まりがあったし、全員が虎視眈々と先発の座を狙っている雰囲気も伝わってきた。
 
 選手たちにも、「ホームでの広島戦は絶対に落とせない」という気持ちがあったはずだ。だからこそ、試合前のミーティングではあえて危機感を煽ることなく、伸び伸びとプレーしてもらえるように努めた。
 
 試合前のミーティングで選手たちには「攻守のバランスを取るなかで、守備の意識が高まっているのは良いことだ。でも、もう一回自分たちのやりたいこと、キャンプから目指してやってきたことに思い切りチャレンジしよう」と話してピッチに送り出した。
 
 パトリックやアンデルソン・ロペスら、相手の前線の選手たちの個の力は強烈だった。それでも、前半の立ち上がりやゲーム最終盤に押し込まれはしたが、無失点で乗り切れたことは自信を持っていいと思っている。
 
 初組み合わせの3バック(右から椎橋慧也、大岩一貴、増嶋竜也)の出来も良かった。普段であれば一貴を右ストッパーに配置しているのだが、今節はヒラ(平岡康裕)が出場停止。「対パトリック」が重要になるゲームで、「一貴を真ん中で」という案は即決だった。
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